いない。
自分がいなくなった。
我慢してたら、演技してたら、ついに苦しくなった。
ママはオシャレが好きで、高校生の頃から原色の服着て髪巻いて遊んでたらしい。
原色というか派手色の服は当時の流行りなんだろうけど。
ママが選ぶ私の服はそういうのが多くて、「若いうちしかこういう色は着れないから」ってよく言ってた。
ギャルにでもなったら?って笑いながら言うこともあったし、今のクラスで、私はそういうキャラになってる。
クラスで1番スカートが短い(校則範囲ギリ)だけなんですけどね。騒いでる子っていう認識だと思う。
当時はそれを着てたし、嫌だ!って思ったこともなかったけど、つい最近なんか自分が現れた。
いつも私が話してる憧れの先生の話になるんだけど、その先生のキャラが私の憧れそのもので、「私もこうなりたい!」って思ったら、他にも自分の気持ちが出てきた。
白とかパステルカラーが好き。
キレイめなファッションが好き。
日本人女性らしい上品さがほしい。
将来は、稼げたらいいな。
でも、お母さんにもなりたい。
けれど、今さら。
「ちょっとー、いつもと違ってお上品じゃん笑」
って友達にからかわれたり、
「なんでそんなに地味な格好すんの?」
ってママにガッカリされたり。
すると、
結局いつもの自分を作ってしまう。
本当は、真面目に勉強したい。
学校でつくられたキャラは、簡単には崩れてくれない。
友達にもイライラしちゃって、辛い。
これは演技だったはずなのに。
派手でうるさくて、友達とガヤガヤ騒いで。
偽物の自分に乗っ取られた感じ。
本当は、先生みたいになりたいんです。
って訴えたら、
先生は、ニコッと笑って、
「お勉強頑張ったらなれるわよ〜」
っておっしゃってた。
この、「〜なのよ」「〜よね」って言葉、使いたいんだけど……やっぱりうるさい自分が邪魔だなぁ…。