どうやら私はあなたを探しているらしい。外に出ると自然に背や体型が似ている人を探してしまう。
自分でも苦笑する。
私が好きだったあなたはもう存在しないと分かっているのに。
よく行った店だと空席に何であなたが居ないのか、私は何を間違えたのか考えてしまう。
反省するのはそれを今後に活かせるのならいいと思うけど、考えても私がわたしだから駄目なんだと自己否定にしかならない。
最初からそんな人間は居なかったと思うことにしようと考えているけど、心は忘れてくれないらしい。
買い物をしていてもこれあの人好きだったなとか忘れさせてくれない。生活圏を変えることも考えてるけどお金がなくて引っ越しなんて出来ない。
多分一生に近い時間囚われて過ごすことになるんだろうな。
こんな思いをするくらいならもう絶対に他人を求めたりしない。
私も25年前に、あなたと同じように思ったことがあって、もしかしたら返事を求めていらっしゃらないかもしれないのですけれど。
うしなった時は、世界が本当に灰色に見えて、すべてがあの人のいないことを思いしらせてきてつらかった。
心どころか体も痛くて苦しくて、このまま息が止まってしまえと思っていました。
半年経っても、1年経っても、3年経ってもだめでしたが、15年であきらめがつき、25年で優しい思い出になりました。
あの頃の私にそう言ったら、25年もたえられないと言うか、永遠には続かないと知って安心するのか、今となってはわかりません。
わからないくらい、私は変わりました。
変われない、変わりたくないと思っていましたが、いつのまにか変われていました。
その途中で、あの人よりも大切な人に出会えました。
ああ、この出会いのために、あの苦しみがあったんだと納得して、あきらめがついたとも言えます。
あなたにも、いつか、新しい世界が開かれますように。
今は、自分にやさしくしてあげてくださいね。