平均寿命までは多分15年以上あるのだろう。
大好きだった祖母が死に、癌になった母の病室に毎日訪れ看取り、同じく癌になった父の人工肛門の世話と抗癌剤治療で通院の後看取り、唯一人生を分かち合えた弟は、昨年暮れの寒い朝に突然逝ってしまった。
脚を悪くしこの数年は弟の為だけに専業主夫みたいな日常だった。
当然貧乏で雨漏りさえするような借家暮らしで、お互いを気遣い、支え合うことだけが生きる術でした。
共通の趣味や、お互いの興味ある話題で毎晩少しお酒を飲んでは笑いあい話し合ってきました。
私はそのひと時以上のものをこのよでは求めていなかったのに…。
今日まで死ねないでいて分かったことは、私が現世で生きるために必要な感情は他の誰とも分かち合えないという至極当然の事実だけでした。
今はもっと早い段階で人生を終わらせておけば良かったという後悔だけです。