どうして勉強しなきゃならないのだろう。
大人はだいたい「あの時やっておけばよかったって後悔してる」と言って私にやらせようとしてくる。
私は世渡り下手ではあるものの、勉強は中の上か上の下ぐらいには属している(と思う)。
でもそんなのはどうでもよくて、私は成功したいわけではない。お金持ちになりたい訳でもない。「普通でいい」などと言うつもりもない。
終電でアパートの一室の四畳半に帰ってきて作り置きの冷えたもやし炒めをもさもさ食べて寝る──そんな暮らしでいいのに。
だって私の望むものはここじゃない。生にはない。だから生の全てがどうでもいい。
早く死ねたらそれでいいのに──。
誰もいない静かな部屋から、じゃあなんで死なないのって声がする。
死にたいなら死ねばいいじゃん、って。
コンビニに行く感覚では出来ないからだよ、と答えてみる。
生存本能、痛みや苦しみ(まさに未知だが、死ぬほどであるのは確か)、未遂した時の周りの目。
(……友達と縁を切って、親はどうでもいいし。まぁ周りの目はいいかなって思うけど。でも学校には迷惑だな、それはやだな)
そんなものが私の邪魔をしてくる。自家撞着を繰り返して結局、何も出来ずに時間が過ぎる。
何もしてないと溺れそうになる。息ができなくなる。息の仕方を忘れた私は、深く、深く、沈んでいく。