放課後に百貨店寄って、チョコレート選んだ。
本命チョコ。だけど、女の子にあげるやつ。
告白するなら今しかない、そう思ったのは数日前の話だった。
これを逃せば春になってしまう。後輩が入ってきて、面倒見のいい先輩はそっちに目が行くだろう。
そんなこんなで6月ごろに、うちの高校のテニス部は3年生が引退する。引退の思い出を告白されたことにはしてほしくない、そう思った。
―しかも女の子からの。
同期の子4人のうち3人は、私が両性愛者であることを知ってる。告白しようと思うって言ったら、みんなすごく応援してくれた。
先輩にアポとって、金曜日の放課後、2年3組、先輩の教室で待ってもらった。
小さめの紙袋もって、先輩のところへ行った。
もし良かったら。これ。…本命なんです。すきなんです、先輩のこと…!!
口ごもってしまったらどうしようと思って手紙をつけたのに、逆に言いたいことがあふれて、先輩に好きなんて言えるのは多分人生でもうこれきりだとばかりに、愛の言葉が伝った。
先輩は始め、え?これがちなやつ?ってめっちゃ戸惑ってて、それでもずっと真剣にがちです。本命なんです。って真顔で言い続けた。
…引かないでください。なぜかこっちが小混乱に陥っていたけど、この言葉ばかりは声をワントーン落として言った。
先輩はマジか…って言ってたけど、ガチ告白、、普通にうれしいんだが、って言ってくれたし、できるだけ落ち着いていようとはしていたけど、もう9ヶ月くらい一緒にいたからわかる、先輩は結構喜んでた。
先輩は照れた女子っぽい顔から、いつものテニスしてるときの先輩っぽい顔に直して、
私は先輩として、君を特別扱いするわけには行かないけど、うれしいし、引いたりひとりを嫌ったりしない。今までどおり行くよって言ってくれた。
ありがとうございますって何度も言って、その場を離れた。
自分が予想していた、最高の返事だった。
告白して、本当に良かったと思う。結ばれることは決してないけど、先輩は引退するまではせめて、ずっと先輩のこと思っていようと思った。
それよりもうれしかったのは、同期の子達に告白の結果を言ったら、みんな真っ先におめでとうって言ってくれたこと。
私のこと理解してくれてる子、大切にしないと。
本当に良かった。これからも頑張る。