後輩の彼とご飯を食べに行って以来、1人になる夜がとても辛い。だから早寝する、考えたくないから。
そんなに辛いのに同じシフトで顔を合わせれば、やっぱり嬉しい。自分でも笑えてくるな。
彼は引っ越しに向けてこんな家具が欲しいとか、こんなふうに配置しようかとかを話してくる。
俺はこんなのどう?こう置いたら?とかまるで彼女のような気分!2人でこの気持ちを共有してるのがわかって本当に嬉しい。
お気に入りのラックがあって買おうか迷ってる事を教えてくれるだけで心がまた跳ねる。
行ってみたいな…心の中で思ったけど、口には出せなかった。好きだからこそ簡単に言えない。彼女だったら当たり前に行くんだろうな。
それに彼は卒論で今は大変だと言う。卒論、内定会社の課題、引っ越し準備、バイト。確かに大変だよね。そう思うとますます簡単に自分の思いを伝えるのがワガママに感じて苦しい。
それでもただの友達なら、簡単に「今度遊びに行かせてよ」って言えるよな。それが言えない。
バイト終わりに彼が「このラックです。」とあのお気に入りをスマホで見せてくれる。
俺も彼も服が好きだし、気に入る物が似てるからかな?一目見てお洒落で自分も気に入った。
それにわざわざ報告してくれる事がとても嬉しくて。
「スマホ借りていい?」「どうぞ。」って言うからお気に入りラックの写真を色々スライドさせて見せて貰った。嬉しいな。やっぱり好きだな。
「今日もセブン行ってご飯買って帰ります。」彼の言葉に「ちょっとご飯行く?」とか誘ったり出来る気軽さが欲しい。忙しいだろうし、何しろ断られたらショックだし。複雑に考え過ぎる俺って面倒くさい…。
帰りホームで電車を待ってると駅から出てきてセブンに向かう彼と顔が合った。
俺がバイバイと手を振ると彼は1回頭を下げて手を上げ応えてくれる。また心が跳ねた。
12月ももうすぐ終わる。今月はバイトであと2回。来月で辞める彼との時間は残り少ない。
楽しい事だけ起きないかな。
辛い、本当に辛い。でもやっぱり好きだからこの時間を大切にしたいと思う。