一生懸命生きてるね、そうだね、すごいね。
でも、でもね、僕も生きてる、悩みがあるはずなのに。
強い優しいすごいね。
違うよ、違うのに……。
ああ、でも言っても理解できないだろう。
理解しても解決できないであろう。
だって遅すぎたのだ、あまりにも気がつくのが、
一回目で気づくべきだった。
大丈夫?って言われたら大丈夫しか答えられない。
あの時喋れていれば、きっとここまでにはならなかった。
もうこの苦しみは痛みは悲しみは怒りは、憎しみは。
もう誰にもどうすることも出来ない。
だってもう自分でも分からない、納得できなくなってるんだもの。
何を話せば解決できるのかすら分からない。
話してくれれば?
話してどうなるの?
話したら救われてたの?
きっとそうだろう。
泣き叫んで、憎んだ相手に言えればよかった、
怒りをぶつけられたらどれほど良かっただろう。
でも、それは遅すぎて、
誰にも、僕でさえも気づかないうちに大きくなった。
僕だって言いたいさ、
ねぇ、強いなら強かったのなら。
優しいなら優しかったなら、
僕はこうじゃなかったのに。
僕は聖人じゃないんだ。
ただもう随分前に死ねないから、
代わりに人生を諦めたんだ。
優しいわけでも強い訳でもない。
ただ全てどうでもいい。
他人事。
僕にあるのはもう、苦しみと悲しみと怒りと、どこにも向けられない憎しみだけだ。