1人暮らしをしている大学一年生です。
私自身、特に何かを信仰しているというわけではありませんが、母と母方の祖父母は神道のようなもの(私がいまいち理解できておらず、断言が出来ませんが近いものだと思われます)を信仰しています。
昔からしょっちゅう「早く○○しないとどんどんあなたの中に悪い気が溜まっていく」「良い気を取り込むために○○をしなさい」と言われており、正直なところ良い気や悪い気という言葉自体に嫌気がさしていました。
小学生であった頃には、あなたのためにとても大切なものであるのだと、兄弟と共に謎の集会のようなものへ連れていかれたことも何度もありましたが、兄弟も私も嫌がるからという理由でいつしか集会に連れていかれることはなくなりました。母はどこか不満そうでしたが。
さて、前述のとおり、私はこれといって特定のものを信仰しているわけではありません。しかし母が神道を信仰していることは知っていました。
法を犯しているわけでも、第三者に迷惑をかけているわけでもないのに他人の信じているものに口を出す権利はないし、自分はこれといって何も信じてはいないのだからなおさら母の信じているものを否定したり口を出したりしてはいけないのだと思い、黙っていました。
ただ高校3年生であった去年、受験勉強のストレスと何年も聞かされ続けてきて時には憎悪すら感じるようになってしまったことがぶつかり、記憶にある限りでは初めて真正面から宗教のことで反抗してしまいました。
どうして同じ内容をこちらが嫌になるほど何度も言うのか、という問いに母は「これこそが正しいことだから」と答えました。正しい事だからそれに従って行動しなければならないのだと。
あぁ、このことではこの人に何を言ってもきっと無駄だと思いながら、ならばせめて言う頻度を減らしてはくれないか、そういうものではないと理解してはいるが、私はあなたほど信仰しているわけではないから、こうしょっちゅう言われ続けていては一種のカルト宗教のようにも思えてしまう、という訴えは最後まで言い切ることが出来ませんでした。
母が途中で怒り出したのです。
どうしてそんなことを言うのだ、私はあなたのためを思って言っているのに、あなたは国語が得意なのになんでこんなこともわからないのか、民俗学をやりたいと言っているくせに、神様が出てくるゲームをして漫画を読んでいるくせに神様を否定するのか……等々、途中でこちらの言い分を聞こうとはせず、ただ泣きながら怒り、何度も私を叩きながらそう叫んでいました。
私が全面的に悪い事は自覚していたため、その後は文句を言うことはせず、黙って従っていました。
今年の夏のことです。母方の祖父母宅へ私と母の二人で顔を出しに行った時のことです。
コロナウイルスの影響が各地で出ていますが、幸いにも両親共に公務員である私の家はさほど大きな影響もなく過ごすことが出来ていました。
その話になったとき、祖父が大きな影響が各地で出ているのは日ごろから神に感謝を捧げていないからだと言い、私を除くその場の全員がそれに同意していました。
こうして毎日何事もなく過ごせているのはすべて神様のおかげだというのに、誰もかれもそれに対しての感謝が足りない。だから今その罰を受けているのだと。これを機に神への感謝を忘れずに日々を過ごすようにするべきなのだと。この子(私)が今大学に通うことが出来ているのも、家族が無事に過ごせているのも、何もかもが神様のおかげであるのだと。
こんなことを思ってはいけないと分かっていましたが、気持ち悪いと思わずにはいられませんでした。
現在、一人暮らしをしている私の部屋には、母に持たされた大黒天と恵比寿の握りこぶし大ほどの大きさの像と休み明けに祖父に持たされたよくわからない神社のお札が飾られています。
以前まではこれといって何も思ってはいなかったのですが、あの会話を聞いた今となっては両者が何となく得体のしれないもののように思えてしまってなりません。
私が今の大学を選んだ理由は小さなころから興味があった幽霊や妖怪について知りたいと感じたからであり、神様については特に深く知りたいというような事を思ったことはありませんでした。
母が私を思っての行動であったことは理解しています。
幽霊や妖怪について学びたいと思っておきながら、母方とはいえ神様を深く信じる家に生まれながら、いっそ無関心ととれるほど信仰心が薄くこれといって興味もない私はおかしいのでしょうか。
長文にも関わらず、ここまで読んでいただきありがとうございました。
105495通目の宛名のないメール
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お返事が届いています
単純で強い祈りは浅はかでありつつ濃く深い。
「何事もなく過ごせているのはすべて神様のおかげだというのに、誰もかれもそれに対しての感謝が足りない。だから今その罰を受けているのだと」これで止まっているなら、もう一歩先へ。そうしたら、多分、小瓶主さんの不快感はなくなる⁉︎かも⁉︎
罰を恐れた祈りもいい。バレなきゃ悪いことをしてもいいとは思わなくなるから。
罰と解釈してもいいけど、人類が成長するための試練と解釈したり、解釈はまぁどうでもいいけど、信仰をしている者だからこそ、感謝をしていない人も困っていたら手伝う、助ける。
ルビンドラナート・タゴール「果実採り」より抜粋
“恐怖におののぎながら救われることばかりを渇望するのではなく。
ただ自由を勝ち取るための忍耐を望むような人間になれますように。”
死ぬ瞬間の言葉らしいから、強烈で。でも本人に先はなかったろうけど。これを知って私は、恐怖止まりの祈りでもいいけど、その先を望みたくなった。
「何もかもが神様のおかげであるのだと。」こう考えると、努力が実ってもマウントは取らなくなりそうだから、この解釈もあり。
でも、身近な人の努力を知ったのなら身近な人の努力を認めてもいいと思う。
法律で言うように人権の尊重、幸福追求権を大切にしているなら。道徳や倫理観があるなら。国際法を守ろうとするなら、最低限それらができるなら信仰はいらない。信仰の有無に関わらず、まずはそこ。間違った宗教は、まずこれらからずれているので、宗教とは言えない。
ルールを作るときに、作った者にとってズルいルールにならないように作るなら宗教はいらない。
死者への祈り抜きに悲しみを昇華できるなら、宗教はいらない。
ゲームしながら、「日頃の行いが良かったからガチャ運上がった」とか思いながらやっている人は、信仰みたいなことに近い。
ゲームをしながら「ザックーム怖っ」と思えたのなら信仰みたいなことに近い。
信仰をしながら“単純で強い祈りは浅はかでありつつ濃く深い。”になるのもありだし、ゲームをしながら“祈りが濃く深く広い”になるのもあり。ゲームの宗教ネタは色々混じり合っていてなんでもありだからと言う意味で広い。
ゲームで信仰っぽくなるのと、幽霊や妖怪を信じる感覚はもしかしたら似ているのかも。
信仰がある家に生まれて、民俗学を学んでいる小瓶主さんだから、たくさん書いてしまった。
読んでくれたなら、ありがとう。
あなたは全然おかしくないと思うよ。
あなたの言う通り、信仰は自由だけど、それを誰か（家族でも）に押し付けるのは間違ってる。
妄信（身内のことなのに表現悪くてごめんね）してる人は、なんでも神様に絡めて物を考えるし言ってくるから、あなたが長い事それに耐えて、暴発してしまったのは分かるし、あなたのその行為は悪ではないよ。
まぁ正面切って論戦しても、無駄な力を使うだけで虚しい思いをするだけになるから、理不尽だと思うけど、今後は心の中でうんざりしながらも受け流しておいたほうがいいかもね。
あなたの心に同意見の味方はいっぱいいるからさ。
身内と縁を切るわけにもいかないだろうから、ある程度距離をとるか、どうしても我慢できないなら付き合いをしないですますか。
一人立ち出来たら、その後は自由にすればいいと思う。
あなたの紡ぐ文章をよんで、とても聡明で人の気持ちをくみ取れる方なのだなぁと感じました。お母さんの考えや気持ちを否定せず、受け止め、ただ、自分はこう思うのだと伝える。それで良いのだと思います。色々な考え方、信仰があって当たり前。相手に強要するものではありませんよね。
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わたしは都合よく信じたり信じていなかったりしていますが、だからといって何かを神様のせいにする事もありません。
小さい頃から食べてきた、わたしの母の大好物のピーマンの肉詰めが、わたしは今でも嫌いです。親が好きだから子供も好きになる訳ではないのです。
あなたはこれっぽっちもおかしくはありませんよ。
小瓶主さんの他の小瓶
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