小学生の頃に神様を作った。優しくて強くて、でも忙しくなくて、自分の側にずっと居てくれる神様。
誰にも言わなかった。誰にも神様を馬鹿にされたくなかった。何が起きても奪われないから大好きだった。
大人になった今でも側に居て欲しいと考える。そんな人間に、神様は危機感を覚えた。もう神様はいらない筈だと。普通の人生を過ごせる筈なのに、どうしてまだ信仰を続けるのか。
恋人もできた。まぁ、神様の方が好きだった。それで問題ないと思っていたら、「他に好きな人いるんでしょ?」なんて聞かれた。なんか気持ち悪くて別れた。
要は自分が一番好きなのだ。自己愛の塊が神様だ。それを許して欲しい。神様は許してくれない。
神様は一人になりたい。自分は側にいたい。神様は一人で生きていけるし、自分も一人で生きていける、と神様は言う。そうだね。なんで忘れられないんだろうね。
神様は私の筈なのにお互いうまくいかない。