誰かに褒めて欲しいんだよなあ。
頑張ったね、偉いね、凄いね。
なんの邪気もないただの慰めが欲しい。
適当に理想の人を作って、自分の頭を撫でて大丈夫、と言うと楽になれる気がする。
それを信じきれるほどダメにはなれていないから、ほんとに気休めなのだけど。
他人に恐怖を抱かなかったことはない。
すれ違う人関わる人全てが恐ろしい。
見下している子にさえ捨てないでくれと思う。
捨てないで、ひとりにしないで、失望しないで、呆れないで、怒らないで、
考えてみると浮かぶのはそんな言葉ばかりだった。
口に出せはしないけれど、いつだって不安なのだ。
だから、縋られたいと必要とされたいと思うのだろうか。
結局めんどくさくなって全てを切りたくなる。
寂しくなって関わりたくなっても、関わる方がめんどくさくて疲れてしまう。
昔、何度か頭を撫でられることがあった。
塾先のおじいちゃん、当時の部活の顧問。
撫でられると反射で顔がにやけてしまう。
そんな自分が気持ち悪くて、けど嬉しくて。
もうそんなことはないけれど。
中学生の頃すごく尊敬する男の先生がいた。
友達と好きですアピールはして、部活を理由にお菓子とかあげていたので悪い印象は持たれていなかったと思う。
ある放課後、お菓子を先生方にあげたあと友達といる時に先生に会った。
少し話したのだけれど、その目がすごく慈しむ様な目で、すごくすごく嬉しかったのだけれど、困惑して少し引き気味になってしまったのが悔やまれる。
自意識過剰だったかもしれない。けれど本当に嬉しくて、どんな言葉より嬉しく信じられた。
まだ、それを思い出しては縋っているんだ。
あんな目を、もう誰かが向けてくれることはないだろうか。
好きになれる人などいるだろうか。好きになったところで、好きになってもらえると思わないから、好意を抱けないのだろうか。
無条件の愛が欲しい。
けれどそんなものはないし、そんなものは与えられないから、ここじゃない優しい世界で過ごしていたかった。