別れは突然で、嘘みたいにあっけなく、気が付いたら私はひとりぼっちだった。
ロクに話もできないまま、伝えたい想いは沢山あったのに、ひと言も発せられないまま、あなたは背中を向けて去っていった。
私がもっと聞き分けが良かったら、
私が不平不満を言わなかったら…
考え出したらキリがない。
彼の好きなようにさせてあげるべきだったんだよね。
電話もメールも私からはせず、
たとえ辛いことや苦しいことがあっても、彼の負担にならないように胸に秘め、
どんな時も笑顔で彼を労い、
誕生日もクリスマスも、二人が出会った日も、「特別な日」ではなく、「365日のうちの一日」として捉え、
贈り物を贈り合うこともやめ、
愛情表現を口にすることを求めず、
彼が飲み会に行っても待たず、
彼が必要としている時にだけそばにいる…
そんな風に出来ていたら、あなたは私を心から愛してくれたのかな。
私は全然ダメだった。失格。
ほんの少しでもいいから声が聴きたくなるし、
出来ることなら隣にいて欲しいって思うし、
たまには「好き」って言ってもらいたいし、
二人の時は手も繋いで欲しい。
会えるのは出張のタイミングだけじゃなくて、年に一度でもいいから、「私に会いたい」という目的だけで来て欲しかった。
こうやって、書いたことを見てみると、やはり私はあなたの言う通り、
自己中心的で、幼稚で、サラリーマンが何たるかを全く理解してなくて、自分の要望ばかり押し付けて、恥ずかしげもなく自分の弱い部分を他人に晒す、あなたが私に思い描いていたような凛とした女性とは程遠い人間だね。
普段にこやかなあなたが恐ろしい形相になって大声あげていたのも、あなたが大切にしていた雨傘やスマホを叩き壊すことになったのも、あなたが無理して買ってきてくれたお菓子の詰め合わせを膝の上でへし折る羽目になったのも、私と電話で話す時間を作ることで何よりも楽しみなテレビを観る時間やお酒を飲む時間を削ってしまうことになったのも、全部全部私の配慮に欠けた至らない性格ゆえなんだと思うよ。
私がもっとあなたを理解してあげなかったからあなたに嫌な思いをさせ、路上や店の中で激昂させることになってしまった。
あなたが何も告げずに音信不通になったのは、私に責任がある。
こんなに毎日苦しいのは、当然の報い。
あなたはきっとあなたが何度言っても私が理解出来ないから、態度で分からせようとしてるんだね。
9日間で嫌という程思い知ったよ。
毎日毎日自分を責める日々。
身体中痛いし、苦しいよ。
私が消えて無くなったら、あなたは清々するのかな。
また何も考えたくないよ。
疲れてしまったよ。
自分の気持ちを伝える機会を与えてもらえない。
私は嘘偽りなく、出逢った頃からあなたが好きだった。
喧嘩もしたけど、変わりなく、あなたを尊敬していたし、大好きだった。
この届かない想いをどうしたらいいんだろう。
この肉体を捨てて、あなたの元に行きたい。
ひと言、
「私をそんなに嫌わないで」
って伝えたい