今朝は珍しく目覚めが良かった。
基本的に幽霊や妖怪の類いは信じないタイプではあったが、なんとなく彼の世は有るものだと信じたい、と言うなんとも矛盾した考えがある。
久しぶりに友人にあった。
なんとなく声をかけ、久しぶりだなぁと肩を叩きあった。
彼は俺の顔を見るなり、「元気か!と言いかけたけど、元気じゃないよな…直入ですまんが、お前いつまでだ?」
「半年前後だとよ、いまいち実感ねんだわ」
「…いや、すまん」
「なんも、気にすんなよ、死んだら線香と束の香典よろしく」と冗談めかして言った。
友人はニヤリと笑って、
「おめぇは俺の時なんぼ包んだんだよ」
と、鼻で笑っていた。
なに言ってんだこいつ?と思っていたが、気にせず世間話を続けた。
さて、帰るかなと思い別れを告げ立ち上がろうとしたら友人がこう言ってきた。
「お前んちのとうちゃんかあちゃんとおばちゃん?に頼まれてよ、でばって来ちまったわ。本番はみんなで盛大に迎えにくっから、楽しみにしとけよ、大丈夫!地獄とかねぇから、お前は!」
そこで目が覚めた
あぁ、あいつ、漁の最中亡くなったんだな。
ただの夢じゃないと思いたい。