死ぬことが目的地だったんです。
彼はそう言った。無人駅の寂れたベンチでぽつりぽつり、滴を溢す。
二十歳まで生きて、最後は綺麗な場所で死のう。
それがわかっていながら。
わかっていたならば、なぜ殺してくれなかったんでしょうか。私は。
しがらみに囚われて、いじめに人生を黒く上書きされて。
私は誰かの手の入った絵画を、汚された自分のアイデンティティーを晒して生きていくのが我慢ならない。
私が恨みを抱くとき、彼等は希望を抱く
私が悲しみを抱くとき、彼等は共に分かち合う。
私は一人でいるのに、彼らは一人ではない。
此は末路だ。
俺は許さん、俺自身を許せない。
自分一人守れずに誰かを守ろうとした者の結果だ。
庇うことは違っていたのだろう。
等と言えないよな。
僕の生き方は僕自身の骨組みとなって積み重ねられているのだから。
たが、食もなく、学もなく、友もない今の俺には唯生きることは拷問に等しい。
何より、俺を陥れ今もわらっている、明りの下にいる彼等を見せつけられる日々が、憧憬が、見たくないと閉じる瞼をこじ開ける。
羨ましく思うよ。
なあ、あの時に庇わなければ僕はそこにいたのか?
見捨てさえすれば、あの子の隣にいれたのかな。
おめでとう、勝ち犬。
君たちの勝ちだ。俺のようにはなるなよ。
恨みもした。憎みもした。
でも、それ以上にみんなが好きだった。
友だちだから、僕だけが今もそう思っている。
君たちに送るよ。僕を忘れた君たちへ。