あたしは本当に駄目投手だったと思います。怪我して泣いて怒り散らして、たくさん迷惑をかけました。辞めたいって愚痴を言って、もうできないって愚痴を言って、それでも一度も、なら辞めれば、なんて言われたこと無かった。辞めないで、頑張ろう、大丈夫だよ、っていつもいつも慰めてもらって、あたしは本当に駄目投手でした。
みんなのおかげで、あたしは胸を張って投げられるの。凄いね、って言われるけど、あたしは全然すごくなくて。みんなが居なかったら、みんなじゃなかったら、誰かひとりでも欠けてたら、あたしはぼろぼろになってたよ絶対に。
ここだからいろんなことが言えるけど、本当はみんなの前で素直になれることなんてなくて、ありがとうもごめんねも、全然ちゃんと伝えられてない。
みんなが大好きです。
このチームはあたしの誇りなの。宝物なの。
ふたつ上の先輩からふたつ下の後輩まで、全部ひっくるめて本当にいいチームだったと思うの。
好きだよ。終わりなんてなければいいと思うよ。
卒業するまでみんなで部活できたらいいのに、って今なら言える気がするよ。
