私は、どうやら一生に一人の人しか愛せない人間だったみたい。
もうすぐ子供も厳しくなる年齢だけど、あれからどんなに時が経っても、他の人を好きになることはなかった。
遠距離になって、やりとりが途絶えたあの日のまま、私の中で時は止まってしまって今日に至る。
一日も彼を思いださない日はなかった。
転勤族の家庭に生まれた彼は、もうどこにいてどうしてるのかもわからない。
彼だって、私の居場所はわからないかもしれない。
この淡い気持ちは、墓まで持っていこう。
初彼が、初恋の人だったこと。そして自分の気持ちは揺らぐことなく今も変わらないこと。
平成の間に始まった出会いが、とうとう平成の終わりまで私から消えることはなかった。
もし、この先でまた運命が交わることがあるとすれば…
いや、彼が幸せで今を生きていてくれればそれはそれで良いと思いたい。