「もう何もいらない。」
そう、誰かが言った。
僕であって僕じゃない誰か。
その時、僕と蒼空は反対だった。
蒼空が僕だった。
その時、「僕」が言ったんだ。
「もう、全部壊れればいいのにね」
そういったのを覚えてる。
そして、何かの拍子に、僕は少し変わって、
蒼空と交換した。
それからは「僕」が僕。
今日はアカメも、僕も暴れたから、テスト中に怖くなって泣きそうになったから。
あの時を思い出したんだ。
何が怖いんだろうね。
期待?嫉妬?ひがみ?視線?結果?
どれも怖い。
結局何が怖いって言ったって。
全部怖いんだ。
ずっとアカメが
「嫌だ!怖い。帰りたい、いたくない。
なんで、怖い怖い!」
そう言ってた。
血で汚れた壁紙に新しい血。
茶色い床にまだ新しい血のあと。
ここはいつまで血が貯まるんだろう。
今日は蒼空は別の部屋にいたみたい。
だから、アカメと一緒に泣くのも悪くないなって。
明日も学校。
学校に行くと、死ねるようになる。
飛び降りる恐怖がなくなる。
3階からコンクリートに落ちる。
そんなのもありだ。
でも痛いの嫌だな。
死にきれなくても困る。
確実に死ねるところが必要だ。
あと何回、この気持ちになって、、
あと何回、学校に行くんだろう。
卒業式に死ぬのもありだな。
桜………みたいな。
もっと、もっと。
いや、やめとこ。
思い出せない感情を思い出したり、
忘れた思い出、望むのはやめよう。
望んじゃいけない。
受け入れろ。
僕は望んでも、手に入らない。
努力というのを僕はあそこにおいてきたんだ。
夢も、目標も、未来も、期待も、自身も。
全部置いてきた。
もう戻れない、あの時に。
置いてきたんだ。
必要ないって思ったから。
幼いときも、今も変わらない。
あれは、あの感情達は、期待は。
もういらない。
もう何もいらないって。
そう思ったから。
そう、あの子が言ったんだ。
「僕」が生まれる前の僕の。
置いてきたあの子が言ったんだ。
もういない、僕が消したあの子、、
最後にあの子が言ったんだ。
「もう何も、いらない。くだらないよね。もう、全部壊れればいいのにね」って。