貴方は今どこにいますか。
苦しみを抱えているのですか、呼吸をするのが辛いのですか。
もしかして不安で眠れないのですか。
他者への怒りで心を乱しているのですか。
ひとつ、おまじないをかけましょう。どうか穏やかな心で想像してください。
貴方は今、青々と生い茂る木々の側にいるのです。その木々は貴方の頭上を覆い隠し、雨風から守ってくれます。
耳を澄ますと木々の囁きが聴こえてきます。
木々は貴方になんと言っているのでしょうか。
私には、木々が貴方の身を案じている様に聴こえます。その声が貴方には聴こえますか。もしかして、何かが貴方の耳を塞いでしまっているのですか。
そこから少し歩くと小さな湖が見えてきます。この湖は貴方の心を映す鏡です、貴方にはどのように見えますか。
私には、波一つ無く澄み切った青色をたたえている様に見えます。
貴方の心はそのように、とても綺麗な物なのです。
何があなたの目を濁らせてしまったのですか。
しばらく道を進むと、小高い丘が見えてきます。丘の頂上へ辿り着くと、柔らかな春の陽射しが、貴方を優しく包み込みます。そよ風に乗って、爽やかな花の香りが運ばれてきました。鼻腔をくすぐるこの香りは、どのような花のものでしょうか。貴方はその花を知っていますか。
貴方の心はこんなにも豊かで、想像力に溢れているというのに。何が貴方の心を閉ざしてしまったのですか。
貴方は醜くなんてないのです。こんなに豊かな情景を想像できる人の心が、どうして汚れていようか。貴方はちっとも汚くなんてないのです。自信を持って良いのです。
貴方はきっと、自分の世界を自分で狭めてしまっているのです。いつもは気にもしていない所に、目を向けてみてはどうですか。世界が少し変わって見えるかもしれません。
この先は、貴方が一人で行って見てください。貴方には何が見えるのでしょうか。
どうか貴方の豊かな心で、美しいものに触れて、穏やかなものを紡いでください。
それは貴方の心を映しだす鏡です。