私の全てをこの小瓶に詰める。アル中の父と、ヒステリーな母の間に生まれました。虐待ばっかの生活でした。頑張って

私の全てを、この小瓶に詰める。


アル中の父と、ヒステリーな母の間に生まれました。虐待ばっかの生活でした。頑張って生きてきました。今も。今も頑張ってる。

幼稚園は、牛乳こぼして母にぼっこぼこにされたことくらいしか覚えてない。

小学校も同じ。つまらない生活。

中学校で変わった。ひょんなことから生徒会入っちゃったり、部活の部長やっちゃったり、色々すっごく楽しかった。

受験の季節がやってきた。

途中までは夢のようだった。

行きたかった高校の推薦基準に奇跡的に達して、めでたく単願で出願。

私の隣の席、好きだった人が、いきなりレベルを落として、同じ高校受けることになった。その子も単願。

二人で出願に行った時の、彼の一言は忘れられない。生意気で、身勝手で、いつもは私をからかってくる彼が、初めて励ましの言葉をくれた。嬉しかった。

でもね、あはは。

さてさて、ここから地獄が始まるよ？


まず、推薦で落ちた。一人だけね。300人中一人だけね。笑えるでしょ？緊張して、適性検査ほっとんど解けなかったんだ。

でも、友人から貰った沢山の愛情のおかげで、立ち直った。一般を受けてみようと思った。倍率高いし、そもそも偏差値足りてないから普通に無理だと諦めてたけど。

それでも死ぬ気で二週間勉強して、過去問では合格点超えるようになった。次は行けるんじゃないかって、希望を持って挑んだ。

受験は、そんな甘いもんじゃなかった。

一般も落ちた。

第一志望は行けなかった。

別に志望も何にもしてなかった、遠くてぼろい学校に行くことになった。

偏差値10も下げた高校だ。一回も見学行ってないし。


でも、意外と後悔はしてない。

だって、私は努力したから。

結果がこうなったってことは、そういう運命だったんだよ。仕方ない。



ここから、恋愛のお話。

そういえば、私が好きだった彼、普通に単願で受かりました。

でも、彼のお母さんから聞いた話だけど。

彼が合否発表のボードを見て最初に言った言葉は、「アイツの番号がない」だったんだって。それからずっと、元気なかったんだって。彼、ストレス性の胃腸炎なんだけど、合否発表の後は、ずっとお腹痛いって言ってたんだって。不合格だって分かって、私が泣きながら学校行った時。いつもはちょっかい出してくるのに、その日は一回も顔を合わせてくれなかった。今も。前よりかあんまり話さなくなって。

ごめんね。

いつも喧嘩腰になっちゃってごめんね。

あなたの嫌なことわざと言ったりしてごめんね。

なんでいっつもマスクしてんの？って聞かれた時、答えられなくてごめんね。私、醜形恐怖症だから、自分の顔を人に見られるのが怖いんだ。

あとね。

ありがとう。

こんな私に、恋することのときめきを教えてくれてありがとう。

「お前が落ちないように、祈っててやるよ」

「そのポニーテール、クリップではさんでやろーか？」

「俺が好きなのはー、気楽に喋れて、いっつもマス(この後は聞こえなかった。いきなり小さい声になったから。でも、私は、「マスクをしてる隣の人」って言ってくれてた、と願っとく)」

「ばかじゃねーの？まあ俺がやってやるよ」

落ち着いた、ちょっと子供目のあなたの声が、大好きでした。

あなたが女性に求めるものって、一番に顔、二番に金、三番に性格なんだよね。言われた時の事、よく覚えてます。衝撃的だったから。私には一つもないなあ。あはは。




ああ、入りたかったな。

あなたと一緒に、登校したかったな。

もう叶わないんだね。

さよなら、この小瓶を流して、私はあなたとさよならしよう。

いつか届けばいいな、なんて。

いつか知ってくれればいいな、なんて。

私は、頑張って生きていくから。

思い出、しまって。

いつか。

また出会えますように。