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カミング・アウトすること

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自分は男の子がすきなんだ、と確信した、
いま通っている高校とは別の高校での話です。

その高校には、中学校を卒業するのと同時に入学しました。
いわゆる、ふつうの高校入試に合格して入った公立高校。
色々あって、ぼくが2年生に進級する少し前(たしか2月くらい)には辞めてしまったのですが(これについては別の小瓶を流すかも)、その高校でぼくは弓道部に所属していました。


同学年で入部したのは男の子が自分も入れて7人と女の子が6人。みんな出身中学も弓道の経験値もクラスもばらばらだったけれど、仲良くしていたな、といまでも思います。(この高校を辞めるとき、部活動の仲間にきちんと感謝できなかったことは、いまもすこし後悔してます)。


その弓道部では、必ず弓道着と袴を身につけて稽古をして、終わったら着替える、というルールだったのですが。


ある日の稽古終わり。
いつも通り、部室で制服に着替えていたら、同学年の男の子に「隙あり!」みたいなことを言われて、いきなりこちょこちょされました。

咄嗟のことだったからすぐに反応できなくて、下着のシャツ1枚の状態だったから余計にくすぐったくて床に倒れこんじゃって、そのまま、彼は無防備なぼくをこちょこちょした。彼の細長くてちょっとごつごつした指が、蜘蛛が這うみたいに、弱いとこばっかりいじめてきた。脇腹とかおへそとか、シャツの中にも手を入れられて肌を直接こちょこちょされた。もともとくすぐったがりな自覚はあったけれど、堪えられなくて、げらげら笑った。
小柄で細い自分と違って彼は(彼も細身だったけれど、)筋肉質で背も高かったから、抵抗できなかった。2、30秒で解放されたけど。

おそらく彼に、特に変な下心とかそういう考えとかはなくて、ちょっとした冗談でいちゃいちゃしただけ。もともとぼくのことを弟みたいにかわいがってくれた部分もあったし、ただの遊びというか、そんなところだったと思う。

けれど、そのときのぼくは明らかに変な感情を抱いていた。

それまで異性に対しても同性に対してもすきとかかわいいとか感じたことはほとんどなかったし、性的な目で見たことも全くと言っていいほどなかった。思い返せば、幼い頃から、女性よりも男性に目線が行くことは多かったかも。とは言っても恋愛感情なんてよくわからなかったし、周りの同級生より身体の発育も遅かった自分は、性(生)的に未熟だった自覚はある。
でもそのときばかりは、やめてほしいけどもうちょっとしてほしい。苦しいけど気持ちいい。やめてやめてと言いつつすこし嬉しいような。
そんなことを感じているのが彼にばれないか不安だった。彼の、大きくてしなやかな手がぼくをくすぐるのをえっちな目で見てしまった。もしかしたら、自分には前からそういうよくない欲望があったのかも。男の子の身体に触れたい、男の子に自分の身体を触られたい、みたいな。
その、曖昧な「あったのかも」は、たぶんあのとき確信に変わった ―。

当然だけど同性愛者の方にもいろいろなひとが居る。物心がついた頃には自覚があったひと。自分のように、何かのできごとやある場面を機に確信したひと。もとは異性が恋愛対象だったけれど、異性の身体や異性との交際に自分が求めていたものは得られず違和感を覚えて、同性と時間を共にするなかで気持ちが変わったひと。など。
ひとくちにゲイとかレズとか簡単に片付けられちゃうけど、いろいろな方が居ます(だから、ぼくはあまりこの単語を使いたくないし、この単語だけで自分をカテゴライズされるのもいやだ)。ぼくがこのサイトに書いていることが全ゲイの意見の代表だとか、くれぐれも思わないでくださいな。


この小瓶を読んでくれている方の中に、自分の性的嗜好や恋愛観を理由に生きるのを諦めたくなったり、自分を憎んだり周りの人間を恨んだり、学校や職場や社会が煩わしくなったり、悩みごとが増えてもやもやしたり、なんだか気が晴れないなって思ったりしている方が居たら、もしよければお返事ください。
ぼくでよかったら、どんなことでも聞きます。

どんなひとだろうと、ひとを愛する気持ちや誰かを特別に思う気持ちは、等しくたいせつです。そんなに自分を嫌わないでね。


かく言うぼくも、本当はとても不安です。
宛メの世界では自分のセクシャリティやそれにまつわる悩みも考えも堂堂と書いていますが、現実ではそうも行きません。現実の世界で、ぼくが同性愛者だと自分からカミングアウトしたのは、18年の人生でまだひとりだけ。その子に嫌われてはいないか、他のひとにばらされてはいないか、両親に知られたらどうしようか、家族が実は気づいていて知らないふりをしているだけなんじゃないか。など、日々そんな感じで十字架を背負ってなんとか生きています。この小瓶も、同級生に読まれていたらどうしようなんてひやひやしながら書きました。こわいよーう。



・・・今回もまた長くなってしまいましたが、もしよければいつでもここにいらしてください。異性がすきなひとも同性がすきなひとも、どちらでもないひとも、みんなすこやかでしあわせな世界になりますよーに。ぼくはいつでもそう願っていますんで。


ここまでお付き合いいただき、どうもありがとう。
また次回。

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