雪国から、降らない土地へ越して早数年。
久しぶりに今年は雪が降った。
風に舞う白いふわふわ。
屋根を少し冷やすだけ。積もらない。すぐに消える。
同じ雪でもあまりにも儚い。
こんな雪なら風情がある。
雪を描いた絵って、冬の景色に雪の冠が被さっている様子を描いたものもあるけれど、
真っ白な画面の中に混ざり込む異物を描くことによって逆説的に白の部分が雪に見えるという技法の絵もあって、私には後者の、白の圧力に、特に心惹かれる。
DNAに刻まれているのかな。
雪はときに暴力という感覚。
眼前には、ふわふわと赤ちゃんのように柔らかい雪の花びらが今日も舞う。
可愛いね。
めったに雪の降らないこの土地には何の備えも見当たらない。
もしドカ雪が降ったらみんなどうするんだろうか。
私はスパイク付きのブーツを持ってきたから平気だよ。ガツガツ歩ける。
ま、そんな日は来なくていいんだけどね。
雪の綺麗な姿だけ見られるなんて、なかなか良い引っ越し先だったなあ。
次はどこに住むことになるのかな。
根無し草とまでは言わないが。
風に吹かれてまたここを去る日がいずれ来る。
転石苔むさず、なんて、それらしい言い訳をしながら、人生は波乱万丈で行方も分からない。
自分の選択を嘘にしないように、今日もギリギリのところで踏みとどまって、頭を情報で飽和させて、意識を手放す。
そうすればまた朝が来る。
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください