時計の針がテッペンを指す頃、電話が鳴った。
こんな時間になんだろう?
「もしもし…?」
『……。』
「もしもし?」
『………
なんで…
電話に出てくれないの?』
推定20代半ばの男子の声が、グスグスしながら言った。
「……えっと………。」
ぐすんぐすん。
「…たぶん、電話番号、間違えておられますよ?」
『え………。』
プツンッ。ツーツー。
……いや、まあ、いいけどさあ……
番号確認してかけよ?
あと、すみませんでした。とか言わないの?
いいけどさ……
とか思ってたら数分後
『ねえ、なんで電話に出てくれないの?』
ぐすんぐすん。
「あの…また間違えておられますよ。」
今度はすみません。と言って電話を切った。
数日後、
夜中に、こども達が側にいて、
なんとなくその話をしようと思ったら
また電話が鳴った。
「あ…もしかしたら…。」
とか言いながら電話に出るので、
こども達はなんだなんだと注目した。
「……あの……
数日前もでしたけど…
間違っておられますよ?
……はい……
…はい……。」
と言って電話を切った。
内容は同じである。
「なになになになに。」
こども達は興味津々で、事情を説明する。
「きゃー!なにそれー!
かわいー!」
「いいかげん番号確認しろよ!
まだ仲直りしてないのかよ!」
言われ放題なのでした。
あの彼の恋はあれからどうなったのかな…。
などと思いを馳せるのであった…。
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