僕の現在位置です
とうとう10月に入った。Cちゃんが入院を終えてもう3ヶ月だ。
あれから何度か具合を見に行ったり、あるとき行ったら炎症起こして熱出してるのを知って慌てて看病したり。
骨折後のフォローをどこの整形外科に頼むか、タクシー会社と運転手は事故をどうするつもりなのか等、一緒に考えたり。
事故にまつわるあれこれを全部一人でやるのは実際かなりキツいってこと、僕も昔の経験から身をもって実感してる。
当時のメールを見返したら、解決までに2年半。骨折治療と前歯の再建、顎関節の調整は本当に苦しかった。それぐらい交通事故の被害側は大変なんだ。
◇
先日の休みにCちゃんのところへ車で出向いた。次の日が仕事だったので午前中から。
「今すごく大きな困りごとはなくて、一つひとつは小さなものだけど数がたくさんあって抱えるのが苦しい」。そう聞いてた。
彼女が少しでも上を向けるようにと、近所の店で梨とぶどうをお土産に買っていく。甘くて水気の多い「あきづき」と、僕の地元のぶどう園で植えてる「紅伊豆」にした。
出迎えてくれた時の様子を見るに、わりかし調子が良さそうだった。
果物の袋を渡すと「そんな、お金使わなくていいのに……。でも嬉しい。ありがとう」と言って、さっそく冷蔵庫へしまっていた。
何故だかちょっと安心する自分がいた。
部屋に通される。とりあえず荷物を置いて、ダイニングチェアに腰掛けながら話し始めた。
「今日、何時ぐらいまでいられる?」
「んー。明日は仕事だからいつもよりちょっと早く戻るけど。どうしたの」
「夕飯、食べていくかなーなんて思って」
「じゃあ、ありがたくご馳走になろうかな。楽しみにしてる」
彼女は僕の足元へ視線をやりながら、何か言いたげな様子。ちょっと待ってみる。
「ええっと。まだ何も考えてなくて……。あとで一緒に作らない?」
「一緒に?」
「うん。前みたいに」
「わかった。じゃあ一緒に作ろうか。献立どうする?」
「せっかくだし、僕の現在位置くんのお薦めにしようかな」
♪Twiggy Twiggy / Karin Maria Andersson
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