どうも、nanaha.です。
皆様如何お過ごしでしょうか。
僕は最近、定期テストの結果が返ってきました。
数学が低めでちょっと落ち込みましたが、全体的には良かったです!
この調子でこれ以降のテストも頑張っていきたいです。
今回の小瓶は、辻村深月さんの「ツナグ」のブックレビューとなります。
ネタバレも含まれますのでご注意ください。
この世には、死者と生者の架け橋「使者(ツナグ)」がいる。
急死したタレントに生きがいを感じていたOL、隠し事をしたまま母を亡くした捻くれ者の長男、自分が親友を殺したのではと思い詰める女子高生、急に消えた婚約者を待ち続ける会社員。
苦しかろうと悲しかろうと、明日は来る。
彼らが繋ぐ物語とは―。
全5章で紡がれる物語の中で、僕は3章目の「親友の心得」と5章目の「使者の心得」が好きです。
今回は「親友の心得」について語ろうと思います。
この章は、本編唯一のバッドエンドとでも言えば良いのでしょうか。
少し読後しんどさが残る章になっております。
親友・御園を殺したのではと思い詰める女子高生・嵐。
同じ演劇部で御園に役を取られ、嫉妬心を募らせる嵐は、出来心から通学路の坂道に水を流し凍らせてしまいます。
次の日、その坂を自転車で通った御園は、ブレーキが効かなくなり車に衝突して死んでしまいます。
水を流したときに感じた背後の気配が御園のものなのではと思った嵐。
でも、ツナグを介して再会すると、御園は水を流したことに気づいていないようです。
嵐はこれから成仏する親友の足を引っ張らないようにと、罪を懺悔しないことを選択。
御園と別れたあと、ツナグから伝えられた伝言に、嵐は一生後悔する選択をしたことを悟ります。
『道は凍ってなかったよ。』
読んだ人ならわかると思いますが、ここですごい鳥肌がたってしまいました…。
この言葉はきっと、ある一件で嵐に落胆した御園が、一生分の責任を負わせようとしたものだと僕は思いました。
”親友”の関係はいつ崩れるかわからない。だからこそ、互いに向き合うことが必要なのだなと気付かされました。
まっさらな気持ちで旅立たせるか、最後の最後に親友に戻るか。
この決断を間違えてしまった嵐は、変わらずやってくる”今日”をどう歩むのでしょう。
最後に、この本で心に残った文章を贈って終わりにしようと思います。
『これは、傲慢な、驕った考えかもしれない。だけど、それでも死者が抱えた物語は、生きて残された者のためであって欲しい。』
ぜひ、お手にとってみてください。
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引用:ツナグ/辻村深月(新潮文庫)
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