ご飯を食べてお腹がいっぱいになった時や、
息子が冷蔵庫を開けて、「これ食っていいか?」とか、「卵2個使っていい?」と私に聞き、「いいよー」と答える時。毎日おかずを詰めた弁当を持たせるとき。
幸せを感じながらも、遠い昔の婆さんの言動を思い出す。
私は3きょうだいの一番上なのだが、子どものころ、私と末の弟だけは、食べる量や言動をを厳しく見張られていた。
米や、冷蔵庫の中の食べるものが減っていると、毎回「誰がこんなに食ったんや!!」と私と弟に怒鳴り来んで来ていたっけ。祖母も食べべてるのにね。
鍋の中の食べ物をよそうときも、わたしと弟はいつも婆さんにすごく睨まれていたっけ。
今考えると彼女もなんでかそんなに必死で、なんだか可笑しい。
私と弟は、それはそれは細心の注意を払って食べすぎないようにしていた。いつもひどい貧血だったが、病院にいくと婆さんに怒られた。
食べ物のことにかかわらず、私たちは婆さんの言動や機嫌に、とても神経質になっていた。
弟のほうが私より幼くして母親がいなくなり、幼くして祖母である婆さんの機嫌をビクビクと伺う生き方をしていた為、本当にかわいそうであった。
特に私は、婆さんの希望で、なぜか、人様より幸せになってはいけないらしかった。
他人様の下で、人より働き、なんでも気が付いて先回りしてやってやり、健気で不幸せで、将来は「清貧」でいてほしいらしかった。
人様より幸せになるな、というよりは、本音は「おまえ達に迷惑をかけられた私より、幸せになるな!」 と、呪いをかけられて育ったのだが、
半世紀近く、苛められながら転けながら恥をかきちらしながら、時に人に迷惑をかけながら生きてきてその呪いは解けてきている。
私達の存在は、幼い頃から祖母に迷惑をかけたかもしれないが、人間ってお互いに迷惑を掛け合って生きている、と学んだ。
社会は、意地悪な人もいるがあの家庭ほど意地悪ではなく、あの家庭より、まともな人ももっと多く断然優しかった。
どうだ。呪いは解けてきているんだ。私は今幸せだ。あなた方とは違う大人になれて、とても嬉しいんだ。
そして、贅沢はできないが、呪いは呪いとして「過ぎたこと」にできて、
呪いとは全く関係の無い自分の子どもに、
「お腹いっぱい食べな~」と言えて、弁当を毎日作って、当たり前に子どもからの感謝を強要することなく、フツーに持たせてあげられる母親になれたことがとても嬉しい。
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