中年が浸って自分語り。
最初の結婚を機にあのろくでもない、日本のどこにあるのかもわからない県の、しかも県民でもどこにあるのかもわからない、暗くて寒くて意地悪で、侘しい田舎を脱出したのが、もう数十年も前のことだなんて信じられない。
そんなに前のことになっていたのか!!
都会へ移り、そして最初の配偶者に家を追い出され、それを機に田舎の毒家庭とも、田舎で苛められっぱなしだった学生時代、会社員時代の人たちとも、音信不通になって、行方不明になって、一人で生きてきた。今は、ありがたいことに、裕福ではないがささやかな幸せのある家庭をもっている。
最初の配偶者(女好きなくせに避妊具の使い方を、彼女のときも私のときもわからなかった)には隠し子がおり、その母親、つまり元カノだかワンナイトの相手だかは知らないが、とにかくその子の母親から、私はとても恨まれ、相当呪われていたらしい。そりゃそうだろう。我が子の父親であるはずの男の子から求愛されて結婚するのだもの。
そして、彼女のたっての悲願が叶い、「ボクちゃんこんなやつ要らない」と言わんばかりに、私は元配偶者となっていた幼い人間から身一つで追い出され、離婚し、行方不明になり、天涯孤独になり、犯罪に巻き込まれ、被害者になったりした。文字通り、踏んだり蹴ったり。隠し子のお母様、良かったですね。
そしてその、彼の隠し子も、もう大人になって、アラサーになっているのだ!もしかすると結婚して既に子どもさんもいるかもしれない!!
大人になった彼の隠し子よ、身勝手で幼稚な子どもだった父親母親のことにこれ以上振り回されず、幸せを掴んでほしい、と思いを馳せた。
上記のことはあくまで一例に過ぎないが、
私など、自分のことを、「学も無ければ芸もない、何の取り柄もない女」だと常々おもっているが、なかなか癖のある、実は壮絶な歴史を持っているのだった。
数十年も経った今だからこそ、遠い昔話として、「過去のことになった」からこそそうおもえるのだが。
辛いことを、今でも、昨日のことのように鮮明に思い出してしまうので、その沢山の出来事達が数十年も以前の昔のこと、だと、さっきまで気付かなかったのだ。うっかりにも程があるってものだ。
そんな数十年もの年月が、瞬く間に過ぎていたことに凄く凄く新鮮に驚いている。
これは歳を重ねないと味わえない驚きなのかもしれない。
私は弱く、すぐなよなよし、他人の目もすごく気にするしメンタルも脆い。おまけに人に好かれない。
なのに苦しみながらここまで漸くしのいでこれたのは、あの頃「元配偶者の幼稚なボクちゃんや、隠し子の母親の呪いの、思惑通りに誰がなるものか」と、心のどこかで思ってたからだろう。誰から見ても私は悲壮感漂う不幸な痛々しい女だったが、絶対あの田舎に、あの家庭に帰るものかと強迫観念で、細々と日々を生きていたからだろう。
ちょっとだけ私も、自分に自信持ってみようかな、とおもえる晩である。
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