また季節が巡って、あなたの誕生日が近づいてきました。
大好きだったあなたの誕生日です。
この頃、原因不明の不調が続くのは多分そのせいですね。
もう、何もかも思い出せないと思っているのに、この時期になるといつも幸せな記憶が蘇ります。
私は今までたくさんのものを失ってきましたが、あなたほど、大きな喪失は無かったと断言できます。
心に大きな穴が空いて、もう5年が経ちます。
幸せに、過ごしていますか?
私のことを想って、泣く夜はありますか?
私のことを覚えててくれますか?
ずっと、埋まらないあなたがいない隙間を、他の何かで懸命に満たそうとしてきました。
自分でも、おかしくなるぐらい、この5年は何もうまくいきませんでした。
あなたがいなくなった場所は、こんなにも、つまらないことを日々実感しています。
つまらないと、斜に構えて、予定を埋めるから、こんなにも空虚なんだと分かっているのに、きっとハッピーエンドが待ち受けているのだと、どうしても怖くて思えないのです。
描いた、幸せな結末が、こんなにもあっけなく手からこぼれ落ちる感覚を覚えてしまって、この世界が素晴らしいものなのだと期待するたびに、警戒を怠るなと、体の内側で叫びが聞こえます。
あなたを失った。ただその現実が目の前にあるだけなのに。私の体はまだそのショックを受け止めきれていないみたいです。
そばにいたら、どんなことをしてあげよう。
そんなことばかりいつも考えています。
一緒に旅行に行って、綺麗な写真をたくさんとってあげます。
疲れたら、一緒に温泉に浸かりましょう。
高台に登って景色を眺めるのもいいですね。
あなたの自慢の車で、ドライブに連れて行ってくれるのもいいですね。
もう5年も経つというのに、私の記憶の中のあなたは、綺麗です。ずっと美しいままです。
こんなにも、美しく、永遠に続いてほしいような日常はもう、戻ってくることはないでしょう。
違う人と過ごしても、味気なく日々が過ぎ、美しさを感じても、また失う恐怖に怯えています。
そして、その美しさもまた、あの日々の美しさとは全くの別物であり、私が無理矢理に求めたハリボテの美しさでしかないことに時折気づきます。
今はまだ知らないふりをさせてください。
これがいつか本物になる時を願っています。
どんなに歪な美しさでも、私の心をいっときでも救ったことは嘘ではないのだから。
補正した過去の思い出の美しさに勝るものなどないと知りながら、失ったその穴を埋める術を見つけられず、私はいつまで足掻くのでしょう。
いつかまた、あの日々に戻りたい。きっとそれが私の究極の願いであり続けるのだろうと思います。
あなたとの日々を胸に抱きしめて、空虚と共に生きるのも、それほど悪くはないと言えるように、なりたいものです。
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