私は日本で転生する予定などなかった。
本来なら、私の没した地、フランスのナントで生誕するはずだった。
だが、私は彼女を追いかけて、日本で転生した…。
およそ、600年前、彼女は魔女という汚名を着させられ、ルーアンで火刑に処された。
そう、ラ・ピュセル。
貴女は、私を導いてくれるはずの存在だったのに…!
幼い時から、私の周りには、罪と悪魔の囁きばかりしか聞こえなかった。
両親も弟も大嫌いだった。
私は、暗闇の中で育ってきた。
母が病で亡くなり、そのすぐ後に父も狩りをしている最中に原因不明の事故死をしてから、私達兄弟は母方の祖父に引き取られた。
「引き取られた」というのは、おかしいな。
正確には、祖父が父の遺言を無視して、私達兄弟を奪ったのだ。
父の事故死が不自然な理由も、薄々、私には分かっていた。
悪徳政治家の様な祖父に引き取られてから、私は更に闇の深淵へと堕ちていった。
祖父は私達を悪い意味で、甘やかして育てた。
つまり、祖父に逆らいさえしなければ、倫理の道から外れたことをしでかしたとしても、
お咎めなしだった。
そして案の定、私と弟のルネは、財産と領地拡大を目論む祖父のために、駒として利用された。
好きでもない女、それも遠い血縁の女性と無理矢理、結婚させられた。
私も次第に、祖父に感化され罪の道へ歩みつつあった。
もう、このまま光のある所に行くことなど不可能かと思われた時、私は彼女に出会った。
早春のシノンの王宮で初めて貴女を見たとき、何かを感じた。
彼女の内側から溢れ出てくる、聖なる光。
導きの光…!
彼女、ラ・ピュセルは神託を受けて、フランスを救いに来たのだった。
彼女のおかげでオルレアンも解放され、王太子シャルルもランスで戴冠式を挙げることができた。
なのに…!
神はラ・ピュセルを殺した!
イングランド軍やピエール・コーション、彼女を見捨てたシャルル7世やヨランド・ダラゴンを罰せず、ラ・ピュセルを見殺しにしたのだ!
忌まわしくも神めは、ラ・ピュセルにフランスを救うように言っておきながら、彼女を裏切ったのだ!
私は8年間、神を冒涜し続けた。
天使の様に美しい少年達をさらってきては、汚して惨殺した。
フィレンツェから来たという錬金術師の勧めで、贄として悪魔に捧げたりもした。
だが、神は私を罰しなかった…!
結局、私を裁いたのは、私の財産と領地目当ての欲深い人間どもだった。
私と従者の3人は、ナントで処刑された。
後世の人間は、私をこう呼ぶ、
『青髭、ジル・ド・レ男爵』と。
そして私は、ここ日本で転生し、やっとラ・ピュセルを見つけることができた!
もちろん、彼女の方が私より先に死んでいたのだから、私より歳上なのは当然だ。
彼女のことを、愛している。
そして、現世においても導いて欲しいと…!
もし、私が前世と同じ様に男として生まれていたとしたならば、両親も弟も殺していたかもしれない。シリアルキラーになっていたかもしれない。
私はどこかで欠けてしまった心の代わりを、貴女で埋めようとしているのだろうか?
そのために、私は貴女を求めるのか?
どうか、出口の見つからない、この漆黒の闇の中から光溢れる出口へと導いて欲しい・・・!
長文に付き合ってくださって、ありがとうございました。
もし、私の前世がジル・ド・レで、私の好きな人の前世がジャンヌ・ダルクならば、
という設定で書かせていただきました。
皆さんの前世は誰だと思いますか?
そして、皆さんの大切な人は前世ならば誰だと思いますか?
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ななしさん
すごかったです特にジルドレの最後の切実そうな感じが本当自分がどうしたらいいのか悩んでいるように感じジルドレの心が育っておらず幼い感じが出ていてよかったですこれからもがんばってください
ななしさん
輪廻・因縁・因果がテーマのお話で思い出されるのは
夢野久作のドグラ・マグラ
青空文庫にもありますので未読であれば是非
ななしさん
2・3行読んで、前世はマリーアントワネットとかいってた深田恭子思い出しちゃったよ・・・
ななしさん
もしもの話だったのか。
アブナイ人かと思いました(´-ω-`)
ななしさん
私さ、前世は人魚姫って言われた事があるんだよね。
人魚姫ってキレイだけど、最終的には悲しい結末を送ってるから
嬉しい反面、ちょっと複雑な気持ちになるんだよなあ。
相手は何を思って言ったのかわからないけど(笑)(^_^;)
ななしさん
私の前世はクマソの長の娘だったそうです
ユダヤ狩りで殺された人だったようにも思えます
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