先のことなんて考えても仕方がないさ!
今、心配してる人が目の前にいたなら、
確かに私もそう言うかもしれない。
でも、先が不安で仕方がないのは私。
今、この時に。
分かってる。考えたって仕方がないのは。
でも、やっぱり不安。
不安で眠れない、人はよくそう言うけれど、
私はむしろ、不安だと眠れる。
ひたすら眠れる。
眠りだけが「今」と「これから」から
いっとき逃げさせてくれる。
不安から解放される。
だから、人生のどれだけ多くの時間を眠ってきただろうか。
温かな布団におでこまで潜り込んで、
自分の体が温まって発するにおいに包まれていると、
何もかも大丈夫って気がするから。
私にとって現実は過酷。
何かであること、何かをすることを常に強いてくるから。
私は何者でなくて良いし、何もしたくないし。
ただずっとずっと眠り続けていたい。
それじゃ、生きてる意味ないじゃん!と言われそうだけど、
うん、そうだよ、生きていたくないんだ。
そもそも生まれてきたくなんかなかったんだ。
なのに、この粗っぽい光の中に引っ張り出されて、
野蛮な目覚めさせられ方をして、
私は嫌でも現実に生きなくてはならなくなった。
でも、やっぱり無理。
戻りたいな、生まれる前の世界に。
形を持たず意識を持たず、
ただ漂うホコリみたいな存在に戻りたい。