遊びに行ったはずの弟が泣いて帰ってきた。
どうしたのだろうか。
母親が聞くと、「帰れ」といわれたそうだ。
正直優は弟のことが大嫌い。
何もしていないのに存在を否定されるし、すぐにじじぃ、ばばあって言うし・・・。
だけど、弟のことをいじめた奴等が許せなかった。
すぐさまそこへ行って弟をいじめた奴等を殴り倒したかった。
弟のことは嫌い。
だけど、たった一人の弟をいじめる奴はもっと許せない。
たとえからかってるつもりだったとしても、優だって、無視されたことあるから辛さが分かる。
ままも、ぱぱも、おばあちゃんも。
みんな無視されたことがある。
そして、辛い思いをしてきた。
おばあちゃんは、弟がいじめられたことを今日知り、ままにむかって
「私は重大なことだとおもう!」って言った。
当たり前じゃん。
ままが今まできづかずに無視してきたみたいな言いようをするな。
ちゃんと先生に弟が障害を持っていることを伝え、クラスのみんなにもお願いしたんだよ。
それでも防げないんだ。
障害といっても知的障害。
知的障害といっても軽度。
みんなの中ですごすことは不可能じゃない。
今弟は小学五年生。妹も小学五年生。
優は中学一年生。
多分弟はこのまま優と同じ中学校に入るだろう。
そしたら、隣の小学校のいじめっ子がもっと入ってくる。
その中にはかつて弟に絡んだやつもいる。
女の優が注意しても聞かないと思う。
でも、姉として弟を守らなきゃいけない。
たとえそいつに、高校生のバックがついていても。
だけどね、
あんたも頑張らなきゃいけないよ。
正直あんたには何もとりえがない。
勉強も運動も出来ない。
喋るのも苦手。
相手から言われたことにすぐぎゃーぎゃー言うし。
あんたも頑張って大きくなりな。
で、見返してやれ。
お姉ちゃんも、大きくなるから。
*優*
【小瓶主さんからお返事きたよ】
わかってます。
弟が障害。
障害は元からであって、どうしてもなおすことができない。
とりえがない。
全くとは思ってないんです。
ブロックを組み立てるのが得意だったりする。
だけど、みんなにちゃんと認められるよう頑張ってほしいんです。
障害だからって勉強しなくて良いわけじゃないですよね。
弟は勉強をしようとしないんです。
周りに声かけをされて、それでもやらず人にすべて教えてもらう。
一人でできるはずのことまで人にやってもらおうとするんです。
弟とはちゃんと向き合うことを心がけてます。
大嫌いな弟でもたった一人の弟だから。
国語が苦手な弟。
人との会話も苦手。
だけどね、あんただって出来るって言うことを伝えたいんです。
お姉ちゃんだって出来たんだからあんただって出来るって。
正直私は弟よりひどいかもしれないんです。
障害じゃないですけど、ひどいんです。
だけど、できた。
だからあんたも出来るって。
大きくなれって言いたいんだ。
*優*