動けない儘時間が過ぎる。
其の時間は十分かもしれないし、一分かもしれない。
もしかしたら秒単位かもしれない。
A国の兵が俺の前に立ちニヤリと笑う。
懐からピストルを取り出し俺の額にピタリとくっつける。
ファング「おまっ、、、!ノマドに、、、!」
ファングが叫びながら後ろから走り寄ってくる音がする。
其の音も普段なら速く感じる筈なのに今は遅く聞こえる。
兵がピストルのトリガーに指を掛ける。
其の時だった。
街に常設しているスピーカーから緊急放送が流れる。
セラフの声でも、カルマの声でも無い。
《A国の兵共に告ぐ》
A国の兵が瞳を細め、口角を上げる。
《グングニル国の総統を捕らえた。十歳程の若造だ》
カルマ《、、、十二だ》
《十二歳だそうだ。お前等のお察しの通りグングニル国の総統を捕らえたA国、、、我々の勝利だ、、、!》
目の前のA国の兵が雄叫びを上げる。
終わった。
後ろを振り向くとファングが絶望した顔をしている。
ペル先生は涙を流しながら光の無い瞳を細めて笑った。
少女はペル先生の服に顔を押し付け泣き喚いた。
俺は天を仰いで絶望した。
ノマド「ごめん、お父さん、お母さん。其れにハンチ、戦い続けて力尽きた皆」
この国は初めて戦争で負けたよ。
総統の大好きな”戦争”で。
✻
#0(初回)の時に少年14人は全員12歳と記載しましたが変更致します。
12歳組
カルマ、メシア、シフォン、イージス、ウィズダム、ユニゾン、ノマド
11歳組
トリガー、ファング、セラフ、ライオット、ペルソナ
10歳組
ブラフ、アビス
となります。
急な変更となり申し訳ございません💦