シフォン「カルマの叔父さんとお父さんは何時も忙しかったね。2人は何時もカルマの傍にいなくて。カルマは何時も何時も国民の前では笑顔で自信に満ち溢れていたけど、俺と2人きりの時はずっと、叔父さんと父さんに会いたいって言ってたね。カルマは小さい頃からお母さんがいなくて、忙しい2人に代わって執事さん達とお話したり遊んだりしてたね」
シフォンは頭の中から思い出を選び抜いてるように見えた。
シフォン「何時も2人に会いたいって言うからさ、両親がいない俺は、お父さんがいるくせに会いたいだとかほざいてんじゃねぇ、ってずっと思ってた。今だから言えることだよ」
シフォンはクスッと笑った。しかし、その後別人かのような表情を浮かべた。
シフォン「あの時は大変だったな」
その言葉を聴いてカルマがビクッと反応した。
シフォン「2人に構ってもらいたいからってさ、魚市場で俺と鮭盗んだんだよね。その後俺達2人こっ酷く怒られちゃってさ。怒られた後、カルマは2人に呼び出されたよね。呼び出された後のカルマの顔、今でも忘れられない。涙の跡とか血とか凄かった。どうせ殴られたりしたんでしょ?」
カルマは静かにコクッと頷いた。
シフォン「その時からだよね。カルマが犯罪犯した奴ら軍に集めたの。集めてくるたび、こんな奴等連れてくんな!って心のなかで思ってた。だけどそいつ等といると笑顔になれる俺もいた」
何故カルマが犯罪者を軍に集めたのか今日で分かった。
カルマは自分と重ねたんだ。親がいない子供と親がいないも同然の自分を。
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名前を『raf』→『楽譜/がくふ』に変えようと思ってます。(ついでにアイコンも)