彼が僕に気があるの知ってて僕は彼に告白した やっぱり彼は快く付き合うことに承諾してくれた 僕だって彼が好きだ

彼が僕に気があるの知ってて
僕は彼に告白した

やっぱり彼は快く
付き合うことに承諾してくれた

僕だって彼が好きだった


でも最近、わからない


僕と彼の会話なんて
あんまり成立してるとは思わなくて
大体は彼が下らないことしゃべって
僕が聞き流しながら適当に相槌うつ

彼は僕のことなんでも知ってる

なにか話しても「知ってる」って言われる

でも僕は彼のこと知らないから
それはそれでいいかな、とも思うけど

こんな僕と一緒にいて話してて楽しいのかな

彼は前好きだった子と席が近くて
授業中とかよくしゃべってて
それがとっても楽しそうで

彼はもうあの子を好きじゃないって
知ってるのに不安になる

僕のこと可愛いって愛でてくれるけど
あの子の方がずっとずっと可愛い

どうしてあの子から僕に切り替えられたのか
僕には理解できない


僕と付き合うようになってから
彼は僕の友達とも少し話すようになった

ほら、それもまた楽しそうで

彼の好きなものと僕の好きなもの、
広く見たら同じだけど
狭く見たら違ってて

彼のネタはあんまり僕に通しないし
僕のネタはあんまり彼に通用しない

でも彼の好きなものと
僕の友達の好きなものはとっても似てて
話が通じる２人は僕よりもずっと楽しそう


劣等感の塊な僕

僕のことしか考えられない僕

僕を愛する君を愛する僕

本当は僕が好きなのは
彼じゃなくて僕なのかもしれない

不安になる

僕の愛じゃ足りてないんじゃないかな

僕じゃ駄目なんじゃないかな


僕を駅まで送ることを
習慣にしようとしてくれる彼

可愛い、嬉しい、愛しい

僕も少しでも君と長く一緒にいたいと思う

でも彼の家と駅は逆方向だから
申し訳ないよ

鞄だって重いのに持たせちゃって

僕ただ負担になってるだけじゃないか

自分で課した義務に自分で縛られて
僕のこと嫌いにならないで

めんどくさいって思われなくない


浮気してくれ、と思う

そしたら責めて責めて
逆ギレさせてあげるのに

僕は悲劇のヒロイン役を望む

幸せばっかは辛くて怖い

僕を傷付けて、ズタズタにして、
僕の中の彼の存在の大きさを
僕に見せ付けてほしい

彼が僕を嫌いになったとき
僕が辛くて死んじゃうくらい
僕を彼でいっぱいにしてほしい

でも、ギュッと抱き締めてほしい


僕、オカシイね

彼のこと、全然考えてないや


別れた方がいいのかな

これじゃ彼に失礼なんじゃないかな


彼からの愛がなくなったら
僕はどうなるんだろう