普通に教室に入りたくても普通に入れない蓮ちゃん。普通に授業受けたくても普通に受けれない蓮ちゃん。普通に勉強

普通に教室に入りたくても普通に入れない蓮ちゃん。
普通に授業受けたくても普通に受けれない蓮ちゃん。
普通に勉強したくても普通にできない蓮ちゃん。
普通にみんなと同じように学校に行きたくても普通に行けない蓮ちゃん。
普通に卒業したくても普通に卒業できない蓮ちゃん。
『何で僕は生まれてきたんだろう？』
『何で親は僕なんかを産んだんだろう？』
『生まれた意味は？』
『生きる意味は？』
と常に自答自問を繰り返す蓮ちゃん。
晴れた空見て
『今日は教室入れるかな？』
雨の空見て
『この雨は僕の涙かな？』
と呟く蓮ちゃん。
どんなに辛くても人前では絶対涙を見せない、その代わり毎日夜１人で泣いてる蓮ちゃん。
まつ毛を濡らして寝る蓮ちゃん。
指しゃぶりをして寝る蓮ちゃん。
負けず嫌いな蓮ちゃん。
人一倍努力する蓮ちゃん。
プライドの高い蓮ちゃん。
真っ直ぐすぎるほど真っ直ぐな蓮ちゃん。
必死に頑張る蓮ちゃん。


そんな子を見て
『明日から教室に出ろ！』
『教室に出られなかったらさっさと学校なんて辞めろ！』
『迷惑だから学校に来んな！』『しっかりしろ。』
『我が儘言うな。』
『嫌じゃない。病院に絶対連れて行く。』
そんなこと絶対言えない。
絶対怒れない。
だって一番辛いのは蓮クンだもん。
一番苦しんでるのは蓮クンだもん。
一番頑張ってるのは蓮クンだもん。
一番わかってるのは蓮クンだもん。
そうやって子供が苦しんでるときこそ、私は甘えさせてあげたい。
我が儘もたくさん聞いてあげたい。
子供の前では常に笑ってあげたい。
空元気でも作り笑顔でもいいから、子供の前では常に元気なお母さんでいたい。
私なら蓮に
『普通に教室に入りたくても入れないんだよね。普通に学校生活を送りたくても送れないんだよね。普通に勉強したくてもできないんだよね。普通に卒業したい、ただそれだけなんだよね。辛いね。苦しいね。悲しいね。思い通りにならないね。蓮はいつも必死に頑張ってるね。蓮は強いね。いつも我慢してるね。もう我慢しなくていいんだよ。泣きたいときはいつでも思い切り泣いていいんだよ。もう強がらなくていいんだよ。甘えていいんだよ。大丈夫！お父さんもお母さんも瞬もみんな蓮の味方だから。どんなことがあっても蓮は蓮に変わりないよ。元気になったらたくさん笑おうな。元気になったらたくさん遊ぼうな。元気になったら蓮ちゃんのいつもの笑顔見せてな。少しずつでいい。また前を向いてちゃんと一歩ずつ歩いて行こうな。絶対誰よりも幸せになろうな。蓮と瞬が２０歳になったら一緒に酒飲んで「あんな日もあったね。」と笑ってバカ騒ぎしような。約束だよ。』

って抱き締めてあげたい。

そして私はただ蓮の寝顔見てただひたすら謝ることしかできない。
『元気に産んであげられなくてゴメンね。』
『普通の子として産んであげられなくてゴメンね。』
と。
そして私はただひたすら自分を責めて責めて責め抜くことしかできない。
『自分が産まなきゃ蓮はこんなに泣くことも、こんなに辛い思いをすることも、こんなに苦しむことも、自殺願望を抱えてまで生きることもなかった。』
『自分が産まなきゃこんなことにはなってなかった。』
と。


子供には何があっても死んではほしくない。
ちゃんと生きて絶対幸せになってほしい。