ふたつ。
譲れないことがあった。
全部あの人の言葉は受け止め続けていたけど。
ひとつめ。
『相手に対してわざと傷つける言葉を吐いてみる。それで相手が逃げればそれまで。逃げなければ相手をする』
私にはどうしても理解できなかったし、理解したくなかった。
相手を傷つけたら自分ではどうにもできない。どんなに後悔しても癒すことはできない。だから傷つける言葉をわざと言うなんてできない、と伝えた。
ふたつめ。
幼い頃から希死念慮とともに在ったあの人。
でも最後に私にぶつけた言葉は
『お前が自殺しようとどうでもいい』
だった。
死に対して苦しんでいた、常に自分に吐き気がする、とミントを手放せなかった人なのに、なぜ。
今も、私はどうすればよかったのか、わからない。