頼られる人間に頑張ってなろうとした。
周囲に暗い顔をしてる人がいたら、「大丈夫?何かあった?」と声をかけた。
あんまりみんなが話をしない子にも声をかけた。
みんながやりたがらない仕事をあえてやって、その仕事を頑張ってこなした。
話を盛り上げられるよう、頑張って面白い自分をみせた。
そんなポジションをとって、うまくいってると思ってた。
だけどそんな訳ないよね。
結局自分がしてるのは八方美人。
ただただ明るくて、楽しそうで、女子らしいみんなの魅力には到底及ばない。
わかってる。わかってた、もっと前から。
自分が馬鹿なことなんて。
八方美人をしてるうちに、友達を荒んだ目で見るようになった。
学校に行くのが面倒になった。
何が面白いのかわからなくなった。
誰とも喋りたくなくなった。関わりたくなくなった。
苦しくなった。虚しくなった。馬鹿らしくなった。
死にたくなった。
でも自分が言う。
「そんなことない。私は間違ってない。」
偽善者な「私」はそう叫んだ。
そんな「私」を、自分は殺そうとした。
もうこれ以上やっても、苦しいだけじゃないか。お前の努力は、ゴミと化したんだ。
お前のせいで苦しいんだ。お前が悪いんだ。
死ね。
でも、殺す力もなかった。
気づいたら、自分は真っ暗な部屋の隅で小さくなりながら泣いてた。
負けたんだ、「私」に。
でも、もうどうでもいいと思った。
どうせ扉の前にいる「私」は、短い間しか持たない。すぐに力尽きて泣きじゃくる。
だからその間に部屋から出て、「私」の周りの関係や「私」を壊せばいい。
それが一番、わかりやすくて簡単で苦しいはず。
「私」が壊れるまでずっと、ずっと続けてやる。
外の景色を存分に楽しめるまで。