20歳の誕生日前に、小学生の私が急に訪ねてきました。
やっぱりあっという間だったでしょ?大人ってどう?って。
確か、私もいつか大人になるんだなァって考えたのが10歳の誕生日を迎えた頃だから、これはちょうど10年前の私でしょう。
緑の半ズボンにTシャツ姿で、日に焼けてて手も足もひょろひょろ細くて長い。
あんまり私と変わらないように見えるな。なんて言うから、久しぶりに会う自分にちょっとドキドキしながら
そうだよ、たったの1年を10回繰り返しただけだもの。変わらないよって言おうとしたら、
懐かしい、色んな景色や匂いが蘇ってきました。
そうだ、忘れてたな。
あの頃は、悩みなんてなかったね。
毎日何もなくても楽しかったね。
道に車も人もいなかったり、図書館が静かで冷たかったり、
雲が流れるのをずっと見てたり、夕焼けに包まれた校舎が綺麗だと、
感じる心が単純でまっさらだったね。
大きくなって感受性はどんどん豊かになったけれど、感度が良すぎて何度も傷付いたなぁ。
考えなくてもいいことも考えた。
色んな事が付け足されて重たくなって、何度帰りたくなったか。
でも今、大切に生きて大切な仲間を作れたのは、
楽しかった思い出が、エネルギーになって前に進ませてくれたからだったね。
複雑になった私も、これはこれで好きだよ。
まっさらな。まっさらな自分。
昔の気持ちを思い出させてくれてありがとう。
お礼を言ったら、
でもきっとなんだかんだ彼氏はまだ出来てないんでしょ、なんて当てられました。流石よく分かってらっしゃる…。
誕生日を過ぎてからは、気配がなくなってしまいました。ちょっとだけ寂しいです。
あなたには昔の自分が訪ねてきたことはありますか?
今度は私が、30歳の私に会いに行く番です。