少し前、会社の昼休みに4人で雑談をしていた時。
3歳の息子さんがいる人が、「息子がずっとパパについていきたがる。パパの姿が見えないとすごく泣く」という話をしていた。
それで「パパがトイレに入った時が一番すごい。『あけて~!!』てドンドン扉を叩く。借金の取り立てみたいだ」て話した。
それを聞いて、聞いていた側は「わかるわかる、子供ってドンドンやるよね」「パパを取り立ててるんだね」て笑ったんだけど。
1人が「そういうの、良くないですよ」て言った。
「ああいう取り立てって、本当に大変なんですよ。やり過ぎの催促は犯罪だし。笑いのネタにするのって、おかしいです」て、眉をしかめて言った。
私達は一瞬ポカンとしてしまったんだけど、話していた人が最初に「あ、ごめん」て言い、私達も謝った。
それから、私達がその人と雑談することはなくなった。
しばらくして、その人が休職を申請した。
理由は、馴染めなくて辛いのだと。同期や、自分より後から入ってきた後輩や派遣さんは、すぐ職場の人と打ち解けているようなのに、自分は3年経っても馴染めていないような気がする、避けられているように思うと。
戻って来なくて、そのまま退職していった。
今思えば、その人が休職の時に「こういうことがあってから、あなたに話しかけづらくなってしまった」などと、説明すれば良かったのかもしれない。
その人が誰かと話している所をまるで見たことがない。私達以外の人にも、会話の中で同じような指摘をしていたから、話しかける人がいなくなったんじゃないかと思う。その人からしたら、自分にとって当たり前のことを指摘したら周りが話しかけづらくなったなんて、思いもよらなかっただろう。
ただ、一旦「話しづらい」と感じてしまった人と、じっくり話す気になれなかった。仕事上の報連相は出来ていたから、それでいいと思ってしまった。
業務連絡をしていた時のその人の顔を思い出す。
あの時、もっと誰かと話したいとか、笑い合いたいとか思っていたのかなと想像したら、何だかやるせなくなった。