宛メの世界で、僕はたぶん最年少。
人格として生まれて、5年が経つ。
生意気ながらも、「消えたい」と「生きたい」を繰り返した人生だったと思う。
僕にとっての5年間は、とてつもなく長かったようにも感じられ、それでもやっぱり短かったようにも思える。
5歳の人間が人生の振り返りだなんて、頭が高すぎる。
そうでなくとも、体の年齢は15歳。どちらにしろ幼い。まだまだ人生これからだ、そんなこと分かってる…けど。
夜のメランコリー、急にしんどくなる。
圧、視線、侮辱、罵倒、プレッシャー、雑踏、強制、嫌悪。
どう受け止めればいいの?
たらればだらけの理想論、ステータス重視の友達鑑定、偽善だらけの道徳。
何から信じればいいの?
気を抜けば頭に響く。
チャイムの音。
シャーペンを動かす無機質な音。
友達の騒ぎ声。
淡々と響く教師の声。
うるさい。体を突き抜けて、心を刺して、その穴に染みていく。
教室が怖い。音が刃物になっていく。
僕の息遣い。
吸って、吐く、?
苦しい。
息ができない。
助けて、助けてよ。
なんで、どうして。
どうして僕はここに、こんな形で生まれてきたの?
苦しい、辛い、悲しい、死にたい、嫌だ、怖い…
全部全部、足りなくて。
この心に空いた穴を一言で表せる言葉はないの?
ブラックホールみたいに、幸せも、優しさも、全部吸い込んでいっちゃうのに。
埋めたい、この穴を。