新しい出会いがあった。
私は自分にその人のことを推しだと言い聞かせた。
第1ボタンを開けたワイシャツの間から覗く、グレーのシャツも。
手首のボタンを閉めないまま腕を通してスマホをいじるのも
全部「かわいい」で済ませようとした。
でも、もう無理かもしれない。
私は君の声が好きで、それがどういう感情に繋がっているのかなんて考えたくもない。
長い前髪を掠めそうな長いまつ毛も、
自分の中に湧く何かを抑えながら見ていた。
好きになったら、冷める時に怖い。
相手に嫌われていないかいつも気にするようになってしまう。
だから、取り敢えず今のところは
まだ推しっていうことでいいかな。