なんで私はそこにいなかったんだろう?
なんで私は貴方を守れなかったんだろう?
そして今も
なんで私は貴方の隣に居てあげることができないのだろう? と、
流れ着く小瓶の中の声に
そんな風に考えてしまう自分は
ただそこに佇む。
目には涙
心は
憂い 恨み 悲しみ 苦しくて
ごちゃごちゃしてるのに
波の音は綺麗だ。
信じたかった。
凄惨な出来事は、フィクションの世界。
人の頭の中でしか広がっていないもの。
現実が先? 想像が先?
ぜんぶ作り物の御伽話でいいのに。
話を聞いたときの感情も含めて、本の中に閉じ込めて、
「現実じゃないから大丈夫」
そう、安心できたらいいのに。
澄み渡る青い空が淀んで雨が降り出したって幸せなのに
愛しい心が苦痛に歪んでいるのは辛くてしょうがないんだ。
頑張って、抗って、どうか
最後ハッピーエンドで。
「良かったぁ……」って気持ちで裏表紙を見れますように。