望むように愛してあげられなかった。
このことはずっと申し訳なく思ってきた。
お母さんらしい事で来てなくてごめんなさい。
小さい時から人がこわいのだ。
おじいちゃんのいつ止むともわからぬ母への叱責、八つ当たりを聞いて育った。
それは夜になると前ぶれ無く始まってとても長い時間に想えた。
母の嘔吐く声。忘れられない。
助けられない無力感。
母にも甘えられなくなった。
学校が私学で並外れた裕福な同級生には馴染めず、食べた事のないおかずが並ぶ給食も食べられなかった。
店をしていた家に帰って、ただいまと言った時はお客さんが居るのにと叱られて、蔵の中で背中に天窓から入る光にあたためてもらった。
社会に出てからも人付き合いがヘタで
苦労した。
結婚して、食べた事のない肉じゃがを作ろうとしたときも、料理本では上手く行かず何度も捨てて新たに買い物に走った。
孤独だった。
そんな私の子育てはいつも悩む事ばかり。
付き合い下手で怖くて不安ばかり。
上手に甘えられない頼れないことで
自分を追い詰め
子供の望むように愛してあげられなかったことは、本当に申し訳なかったと思っている。
この怖さが引き寄せる孤独から抜けだしたくて相談したりして、
変わりたいと思って頑張ってみるんだけど、上手くいかないんだよね。