お母さん、ごめんね。
私が生まれてきたのは失敗でした。
どうして私なんかがお母さんのお腹の中に宿ってしまったんだろう。
きっと、何かズルをしたんじゃないかな。
そうでなければ、私のような失敗作の人間が生まれてくるはずがないもん。
痛い思いをして産んだのだから、
お母さんに似てパッチリ二重の可愛い女の子が良かったよね。
こんな私じゃ、自慢の娘になんてなれないね。
でも、可愛い孫を産めたことだけは良かったと思ってる。
いつも息子のことを可愛がってくれてありがとう。
こういうのを鳶が鷹を生むって言うのかな?
私が生まれてきたのは間違いだったけど、息子を産んだことは間違ってなかったって思う。
人生100年時代だなんて言うけれど、私に100年の人生なんて要らない。
適当な病気になって早く死にたい。
子供には悪いと思うけど、長生きすればするほど私はお荷物になるだろうから。
そう、お荷物。
夫にも、息子にとっても。
ごめんね、こんな失敗作の人間で。
失敗作のくせに子供を望んでごめんね。
でも、あなたは本当に可愛いよ。
産んで良かった、会えて良かった。
私は結婚が決まった時と出産した時くらいしか「生まれて来て良かった」と思える思い出がないけど、
それでもそう思えただけ幸せだよね。
迷惑をかけないように、早めに死ねるように頑張るね。
あなたは、お母さんみたいに惨めな人生を送らないようにしてね。
それまで、お母さんは頑張ってあなたを育てるから。
大好きだよ。
生まれて来てくれてありがとう。