中学生の時に通っていた小さな個人塾。
授業の後みんなで掃除をする時、
私はよくトイレ掃除をするように先生に言われた。
太っていて、勉強が出来なくて、
どちらかと言うと明るいキャラクターに見えていたからかな。
教室とトイレの場所が近くて、
教室にいる人に音が聞こえてしまわないか気になってしまった私は、
3年間一度も塾のトイレを使ったことが無かった。
使うことが出来なかった。
あまり人と話さず、休み時間に鶴見済の「完全自殺マニュアル」を読んだり、
黒いオーラを放って何となく周りに気を遣わせていた背の高い男子生徒はいつも黒板消しをしていた。
繊細なキャラクターだったからかな。
…キャラクターって何?
私には、周りにとって都合の良い解釈としか思えない。
目に見えていることが全てではないと、
大人には特に気づいてほしかった。
あれからたくさんの月日が流れたけど、
当時の先生の年齢を超えた今でも、
たまに思い出しては胸が締め付けられる。