目覚ましをかけずに寝たり、雨の合間の晴れ間が眩しくて目を細めたり、昔好きだった音楽を聴き返したら涙が出てきたり、好きな映画のエンディングだけ観たり。シャワーを浴びた3時間後にお風呂に浸かったり。
一生懸命、きちんと、がむしゃらに働いていたけれど、それで受けた評価を十二単衣のように着込んで着込んで、わたしは美しいでしょう?ってポーズをとってきたけれど、少しずつお内裏様の隣に近づいてきたけれど、
急にすべてが滑稽に思えてしまって、人生をお休みしています。
たぶんわたしいつかこうなるわ、って分かっていたから、やっぱりなあ、ほらねえという気持ちです。
わかってたなら十二単衣なんか着なけりゃよかったのに、と、憧れだったもんねえ着たかったのよねえ、の声が未だに一緒に響きます。
わたしはわたしで相も変わらずあわあわして、生きているよ。
いつかの昔、とめどもなく小瓶に詰めていたあなたへの気持ちは、きちんとどこかに流れていったよ。さらさらと時間は流れて、わたしは別の場所で生きてる。
明日はきっとまた悲しい。
それでも、過去はなくなってしまうものじゃないから、過去のわたしを抱きしめることはできないから、毎日寝て起きて、食べられる量のご飯を食べて、大事な人と連絡をとって、生活していく。
まだ人の好意を受け止めきれないわたしも、十二単衣で着飾ってしまうわたしも、10年後のわたしと地続きだから、
あなたを好きだったわたしがこうなったように、こんなふうに変わったように、ここからどんなふうなわたしであれるのか、少しだけ楽しみだったりするよ。
今まで書いたどれよりも、これがラブレターだと思います。どうかしあわせに。わたし自身も。