宛名のないメール

人のいないジャンルで、ひっそりと同人誌を作っています。

初めて小説を書いたとき
最初は書けただけで嬉しかった
でも次は誰かに見てもらいたくなった
その次はもっと沢山の人に見てもらいたくなった
その次は「誰かに良いって言われたい」と思った
その次は「もっと沢山の人に良いって言われたい」
そして「誰かから好意的な感想が欲しい」
そして「もっと沢山の人から好意的な感想が欲しい」

本を出すようになった
本当に、寝る間を惜しんで、あらゆるものを捨てて書いた
書き切った
すごく頑張った
最初は本が売れただけで良かった
でもその後は「良かったっていう感想が欲しい」
もっと欲しい
もっともっと欲しい
これだけ頑張ったのだから、対価としてもっと褒められたい
素晴らしい本だったと言われたい

じゃないと意味がない

そう思えてしまうのがもう辛いです。
最初は書き上げただけで、自分で自分を認められたのに
今は顔も知らない沢山の他人が私を「いいね」と言ってくれないと、全てが無価値に思えてしまう
いいねの対価をもらえないとやる気が出ない

この現象に、心理学用語で、アンダーマイニング効果という名前がついていることも知ってる
仕事とかではなく趣味で同人誌を作って何度か頒布したことある人ならわかってもらえると思う
本にしてしまったから
お金をもらってしまったから
明確に「何冊売れる」「何冊売れなくなった」がわかるようになったから
だから喪失のことしか考えられなくなる
数字として見えてしまうから

こんなのはよくあること
わかってるんです
でもつらい

流行りのジャンルに手を出せば、もっと沢山の人が褒めてくれるかな
流行りのジャンルでも一生懸命書くけど、人気のために書いている自分が嫌だよ
でも今のジャンルは衰退する一方
書くのをやめるって言ったら「やめないで！」って引き止めて欲しいよ
必要とされたい

小説を書くのをやめろ、とか
他のことに目を向けろ、とか
わかってる
何度もやろうとした
でも出来ないんだよ
苦しい
創作をやめたら私の存在意義は消えてしまう
これにもう何年も依存してきたから

今更もう、他のものを見つけられない
苦しみと承認欲求で気が狂いそう
やめればいい
やめられない

ここで名も知らぬ他人の人に、聞いてもらうことは
少し楽になります
ありがとう
同じ苦しみを抱えたあなたに届きますように

とある底辺の字書き

115213通目の宛名のないメール

小瓶を保存フォローする

お返事が届いています

ななしさん

私も同人誌を作っているので、気持ちわかります。おたがいに、気持ちに潰れないようにして創作していけたらいいですね。

ななしさん

こんにちは。
お話を書く、本を作る、ということ、字書きは孤独だから、なおさら反応が欲しいのかな？と思いました。
原稿合宿とか、作業配信とか。みんなですること、途中経過を褒めてもらうことが、字ではなかなか難しい気がします。
だから、いっぱい想いを込めたこの作品を認めて欲しい！となるのかもしれませんね。

小瓶主さんの文章がとても読みやすいので、きっと人気のある方なんだろうなぁ、という印象を受けました。
解決策は何もわかりませんが、あなたの文章、とても好きです。どこかで御縁があって、お話を読むことができたらうれしいです。
お悩みが、どうか良い方向に解決されますように。

とある底辺の字書き

（小瓶主）

>めちゃくちゃわかります
の方へ

小瓶を流した者です。あなたのこの言葉を私はずっと、ずっと待っていたのかもしれません。
私の小説を読んでくれる読み専の友達には言えない。
気を遣わせるから。
でも、同じジャンルの人たちにも言えない。
「無理して書いてるんだ」って思われたくないから。

だからこそ、全く知らない場所で、全く知らないあなたに。私はこの話をしたかった。
わかりますと言って欲しかった。
今、嬉しくて泣いています。

本心では書きたいです。書きたいんです。ただ、自分のために好き勝手、好きなものを書けたらどんなに楽だろうと。

ありがとう。あなたにこの先たくさんの幸せが訪れますように。
ありがとうございます。
本当に、ありったけの感謝を。

ななしさん

こんにちは。

つい最近、私自身承認欲求について小瓶を流したばかりです。

すみませんが、私の話をさせてください。

ツイッターで同人小説のようなものを書いていました。同じようなものをつぶやきで流していたりもしました。最初はよかったんです。賑わっていた界隈でした。一言呟けば何十回分もいいねがつくし、フォロワーもどんどん増えて、私の投稿に対してすごいとか、いいですと言ってくれる人もいました。今思えばそれで少し調子に乗っていた自分もいました。
段々界隈から人がいなくなり、フォロワーも半分以上いなくなりました。呟いても、文章を書いても思ったような反応が来ません。自分が上手く書けたと思った文章も鳴かず飛ばず。嫌になりました。そこで辞めればよかったのに、もっといいねが欲しくなりました。辞めても他にやることもないし、そこが一番自分が輝けていた場所だったからです。

無理矢理絞り出すように投稿していた時期がありました。自分が納得いくような内容ではかく、もちろんいいねも伸びません。もっと投稿しなきゃと思いました。でもいくら投稿しても同じでした。
他の人には相変わらずいいねがついていました。何故だろう、考えても分かりません。同じような投稿なのに、その人が好かれていて私は好かれていない、そのぐらいにしか考えられませんでした。きっとその人は人望があって、私はない。また悲しくなりました。
ただただその繰り返しです。
いいね機能なんてこの世から無くなればいいのにと思います。
泣けますね。つらいですね。どうしてこうなってしまったんだろうって思います。
好きなことを夢中でやっていただけなのに、いつのまにか縛られている自分。焦っている自分。情けなくて、ばからしくて、でも辞められない自分。

私の思いも、誰かに届きますように。
小瓶主さんが少しでも楽になれたなら、私も少し救われました。
ありがとうございます。

ななしさん

めちゃくちゃわかります
私は絵も字もかいてた底辺らくがきマンで、形になるものはグッズを作ってました
しかし、承認欲求やら周りの方が上手かったり数字がたくさんついてたりする劣等感……
一時期は「自己満足、自己満足」と狂ったように言い聞かせながら活動してましたけど、本心との不和でどんどん壊れていって……
いまやかくのもみるのもだめになってしまいました
でも、かいてないからといって気持ちは楽になんてならないものです
やめてもやめなくても辛いですよね

とある底辺の字書きさんの他の小瓶

自殺したい気持ちは消えませんでした。大丈夫になったと思ったのに。家族にも友達にも職場にも「もう大丈夫なんだけどね、昔うつ病で」なんて言っていたのに。感想をくだ感想をください。私の本を読んで「面白かった」と一言いってください。読まないなら買わないでください。読んでください。感想をください

以下はまだお返事がない小瓶です。お返事をしてあげると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。

自己肯定感低くいろいろ性格がめんどくさいやつになってしまいました産まれてきたくは無かった。どうしても自分自身が憎くて仕方ない。もっと上手く生きられたら、もっと勉強が、仕事が出来たらと無い物ねだりを繰り返す。宣言します！第一志望の大学に合格します！そのために逃げず、甘えず、戦います！ちゃんと勉強します！脳内でずっと喋ってるの疲れるからやめたい。嫌な記憶を勝手に思い出して直接言えない嫌いな奴への罵詈雑言をずっと喋ってる。めちゃくちゃ久しぶりの小瓶になります。お返事をくれた方々、お返事を返せなくて本当に申し訳なかったです。他人にバカと言う人の方がバカ。それならば、他人に人をバカにしてると言う人の方が人をバカにしてますよね。バカな自分が一番嫌い面接や一人で大勢の前に出るのがとても怖いです。複数人で出ると自分は見られてないから大丈夫、と思えるしテンションを上げれていれば緊張しないではしゃげるんですん。もう連休が終わる。また始まってしまう。誰かに望んでほしいと思ってしまう…もう嫌だ。手首切る夢見たわ就職できない。落ちて落ちて落ちて落ちて、もうどこにいるのかもよくわからない。大学院に落ちた。他大学ももちろん落ちた。就職試験も落ちた。今も落ち続けている。不公平帰ってきたよ。お久しぶりです。今日は吐き出したいことがあったから帰ってきたので手紙を流そうと思います。ねぇ、私が2番目に愛した人。君、愛されてたみたいだよ。今でも好きだと言ってくれるんだよ。

膨れ上がる承認欲求を消したい。人のいないジャンルで、ひっそりと同人誌を作っています。初めて小説を書いたとき最初は書けただけで嬉しかった