私は記憶に執着している。
過去なんて失くなりようも無いのに
その過去を証明するものが
無ければ過去自体も無かった事に
なりそうな気がしてしまう。
もしも過去が無かった事になったって
私にはもっと長いこれからがあるし
私の脳には記憶として残る。
それでも、証明物が無くなる事を
怖いと思ってしまう。
背中からハサミで刺されて
切って破かれた服だって、
もう着られないから持っている
必要は無い。
私自身が苦し紛れに撮った
写真や動画なんて
今更見ても胸くそ悪いだけだ。
要らないって解ってるし思ってる。
なのに失くなるのは怖い。
消える訳無くても、
記憶も一緒に捨ててしまう様な
気がして仕方がない。
思い出して苦しいくせに
一生離すまいと定期的に掘り返して
忘れない、忘れない…と、
幾度となく脳に焼き付け続ける。
だからきっと私は、
記憶に人一倍執着しているんだと思う。
馬鹿らしいね。
わかってるよね。
繰り返し繰り返し、消えないように思い出して焼き直してる。
そんな事は無意味。
多分その当時の記憶や考え方、感じ方も、都合良く変わってくよ。
そんなこともあったなぁとか、それもアリで今の自分と考えられるようになったら良いね。
どんな自分でも、その時より成長してるのが今なんだから。
乗り越えて、より素晴らしい自分を作りなよ。
人生は以外とあっという間。
人生の中の一瞬の出来事に縛られるよりも、大きな目で見て、自分を新しくしていった方が良いよ。
美しい人も良く見れば顔にシミやソバカスだってあるよ。
そこだけに注目していたら、その人は美しくなれない。
全体を見て、目、眉、鼻、唇、髪、輪郭、手、足。。。
話し方、歩き方、佇まい、笑顔。
いろんな事が積み重なってその人の美しさになる。
全体が美しければ、顔の小さなシミになんて誰も目がいかない。
気付かない。
全体で美しくなれば、本人も忘れるくらいになる。