「サンタさん」は、弟君にマインクラフトを与えた。弟君はYouTubeでマインクラフトの実況を見て、自分でもやりたいと思ったみたいだ。
でも厳しい両親は、ゲームを1日30分しかやらせない。
今日は、朝から両親ともに仕事に行った。家には弟君と私の2人だ。
お昼ご飯を作った後、弟がマインクラフトを始めた。朝30分やっていたのは気づいていたが、まあ両親がいないときくらいはと、見て見ぬ振りをした。
課題もそこそこ終わったし、洗い物も洗濯もおわったから、久しぶりに自分も3DSを開けて弟君の隣でゲームを始めた。
横目で弟君のSwitchの画面が見える。BGMも効果音も。
大量の猫とか犬とか馬とか狼とかが、狭い部屋に閉じ込められていて、そこに弟君が火薬を置いた。
その上に溶岩のブロックでふたをした。
獣の鳴き声にしゅっという空気の音がして、
そのあとは細かく書かない方が良い気がする。
でもそこが地獄絵図で、悲痛な動物の声が次第に小さくなっていたことは事実で。
もとより小1の弟君をそんなに純粋な生き物だとは思ってなかった。こっちが思ってるより、子供って透明じゃない。第一に私がそうだった。
私にもあったような気がする、生徒指導の先生に反抗し泣き喚くことがステータスというかアイデンティティというか、そんな馬鹿げたことを思ってた時期が。
あの時は大人が怖かった。どうやって泣き喚けど話の通じない、馬鹿の一つ覚えみたいに「ちゃんとしろ」しか言わない先生のことが、怖かった。
NiziUのことを「ニジユー」と読んでも誰も指摘しないような進学校に入学して、友達も先生も優しくて大人しくて、そんな環境に慣れ切った私は、
いつから子供が怖くなっただろうか。