他に誰もいない音楽室で、あなたと2人きりになって、即興であなたのために鍵盤を弾いて音楽を奏でた。
こんな形でなあなあで始まった高校で、初めて声をかけてくれた友達。
中学の時散々傷ついて孤独に溺れて、笑い方すら忘れた私に楽しいこと、面白いこと、美味しいもの、いろんなことを教えてくれた友達。
冬になって、もしコロナがまた増えて、遠隔授業になったとしても、次はあんたのことひとりにしないから。って、人差し指立ててすました顔で、
春は来るって教えてくれた友達。
あなたのために、一生懸命音を奏でました。
あなたは小さな声で、震えた声で、乾いた声で「泣いていいかな」と呟いた。
大丈夫?って聞いてもいつも微笑んで大丈夫って答えるあなたの、その涙は心のどこの傷に沁みた痛みですか。