当時、中学3年。私は教室にも行かなくなり特別クラスに行くようになった。卒業式の日、学校には行ったが出席はせず特別クラスに篭っていた。そこに、クラスの面々が現れ入口を塞ぎ「○○先生が可哀想だろ!!でろよ!!」と募ってきた、私だって出たい。でも理由がある。言えなくて、悔しくて、泣いてるのを見られたくなくて、私は反対にある窓から逃げた。窓の外に仲良くしていた男の子が待ち構えていたけど、泣いているのをみてそのまま行かせてくれた。
私は別に虐められていたわけじゃない。
ただただ貧乏だった。
そして親は貧乏であることを周りに隠した。
ある日、給食費を払っていないことをしり、急に食べるのが恥ずかしくなった私は、給食の時間になると保健室へ逃げ込み本を読んで時間を潰すようになった。
電気、ガス、水道は止まり
母が銭湯に行く中、真冬でも私は外からペットボトルにくんできた水で頭や体を洗った。制服もジャージも洗えず、周りに臭っているんじゃないかと不安になり教室に入れなくなった。
卒業式の日も風呂には入れていない。
そんな体で体育館の群衆に紛れるなんて無理だ。あまつさえ、壇上に上がって卒業証書をもらうなんて。
私は貧乏だと周りに言いたかった。それで何かが変わるかもしれない。友達の家でお風呂が借りれたかもしれない。
でも、親は隠すことを選んだ。
周りに助けを求めることはできなくなった。
人には人の理由がある。それを皆にはわかって欲しい。