寂しくて寂しくて
毎朝、会社に宅配を持って来てくれるお兄さんに恋をした
中性的な可愛い顔と話したときのちょっと高い声と笑顔が好きだった
ある日、連絡先を交換して
その日のうちに、彼の家に行った
抱き合って、お風呂に入って、そのままベットで朝まで過ごした
寂しかったから遊びでも良いやって
家族の事とか仕事の事とかくだらないこと話した
彼の左腕には刺青が入ってた
今は宅配のお兄さんだけど、昔は夜の飲み屋で働いてて
女の子みたいに可愛い顔してるのに
職場の人はみんな知らない秘密
しばらくは楽しかった
週一で彼の家に行って、体を重ねた
次第に彼は冷たくなった
分かってたけど寂しくて
でももう、会ってくれそうにはなくて
そんな時に、今度は彼と出会った
同じ会社の違う職場の人
全然タイプじゃなかった
でも向こうから遊びにいこって誘われて
仲良くなって
宅配のお兄さんの話をしたら、
そんな人やめなよって
私がどんなわがままを言っても
彼は聞いてくれた
何回かデートして
冗談なのか本気なのかわからない告白にもどかしくなった
初めて彼の家に泊まった
ソファの隣にピッタリくっついて座って、
宅配ピザを頼んだ
アメリカの映画を見ていたら
段々と彼の手と私の手が重なっていった
彼は私のことが好きなのだろうか
そう思うと私も彼の事が好きになれる気がした
服を脱がされ、全身を撫でられる
裸のままお風呂で体を洗ってもらった
こんなに優しくされたのは初めてだった
曖昧な関係は嫌だったから、
ちょっぴりいじわるをした
けれど彼は優しかったから、嫌だと言えば無理やりすることはなかった
次の日の昼過ぎまでお互いの体を抱きしめ合って、
その日の夕方に私は家に帰った。
彼は電車で片道3時間もかかるところにすんでいた
また会おうねって、彼は言ってくれて、
次の約束も、ホテルも予約してくれていた
ちゃんと彼に好きだと伝えようと思った
付き合おうって言った
そしたら返事は返ってこなかった
しばらくして、会う約束をしていた日
このまま普通の友達でいようと言われた
期待しすぎたのかと恥ずかしくなった
捨てられると分かってて好きになっても
この人なら信じられると好きになっても
結局最後は、私は愛してくれはしないのだ
分かっててやってるバカな女だから
寂しくて寂しくて
寂しくてさみしい